(25日、第106回全国高校野球選手権高知大会、高知商2―7明徳義塾) 高知商のエース、岡村宝投手(3年)は二回裏、守備に立つ外野から何度も何度もベンチの上田修身監督を見た。先発の下元理巧投手(3年)は、急に崩れて4失点を喫していた。早く…

 (25日、第106回全国高校野球選手権高知大会、高知商2―7明徳義塾)

 高知商のエース、岡村宝投手(3年)は二回裏、守備に立つ外野から何度も何度もベンチの上田修身監督を見た。先発の下元理巧投手(3年)は、急に崩れて4失点を喫していた。早くマウンドに立たせてほしいと、うずうずしていた。

 でも、継投は塩川翔馬投手(3年)に。マウンドに立てたのは五回からだ。

 190センチの長身から投げ下ろす速球に自信があったが、股関節の不具合や指の骨折などが相次ぎ、公式戦で投げるのは今大会が久々だった。

 五回は渾身(こんしん)のストレートで明徳義塾打線を三者凡退に。その後の満塁の危機も「絶対におさえてやる」という強い気持ちで乗り切った。

 しかし、八回、甘い変化球をとらえられ、大会1号の本塁打を浴びた。「一球一球の大切さをあらためて思い知った」夏が終わった。

 試合後、序盤に崩れた下元投手について「ここまでおさえてくれたから準決勝まで来られた。上出来だったよと言いたい」と思いを語った。

 下元選手は「やっぱり背番号1は(岡村)宝しか似合わん。ありがとうって言いたい」と話した。(原篤司)