新潟明訓の監督として春夏8度の甲子園に導いた佐藤和也氏(67=新潟医療福祉大男女硬式野球部総監督)が、高校野球について執筆しているコラム「佐藤和也総監督のまなざし」が好評だ。毎年、UX新潟テレビ21の公式ホームページで、新潟大会直前から新潟…

新潟明訓の監督として春夏8度の甲子園に導いた佐藤和也氏(67=新潟医療福祉大男女硬式野球部総監督)が、高校野球について執筆しているコラム「佐藤和也総監督のまなざし」が好評だ。毎年、UX新潟テレビ21の公式ホームページで、新潟大会直前から新潟代表が甲子園で敗退するまで連載。独自の目線で高校野球を表現している。

帝京長岡-新潟産大付の決勝が26日に順延になった時点での最新コラムは24日アップの「グーに勝つ パーで戦おう」。新潟明訓の監督だった99年夏の決勝前、下馬評では不利のナインに、相手に向かう気持ちをジャンケンに例えて説いた実体験だ。「今年の決勝に臨む両校の監督さんにも感じてもらえれば」と言う。

17年6月17日から始まり、今年で8年目。24日付が108回目の掲載になった。「考えて書くのではなく、感じたことをそのまま字にします」。戦力分析、戦術解説は少ない。野球に打ち込む子どもに毎日食事を作る母親の心境、健闘した公立校のエースのしぐさ、プレーの合間に見える私学のプライド-。高校野球に接する人たちの心情や、日常生活の一場面から野球につながるものを感じ取った内容がほとんどだ。

大切にしているのは野球の現場にいる立場で、野球を俯瞰(ふかん)で見る目。評論ではなく感性。「開会式も毎年空気が違う。昨年はロシアとウクライナの戦争、その前はコロナ禍。時代の流れや変化を踏まえると、その時によって感じられるものは異なる」。

コラムをまとめ、自身の講義「ベースボール指導論」のテキストにもしている。「これについて、みんなはどう思うか、と学生に聞くとさまざまな意見が出ます。野球の現場から世の中を見る1つの材料になればいい」。高校野球を通して思考を深めるツールにもなっている。【斎藤慎一郎】

◆佐藤和也(さとう・かずや)1956年(昭31)8月31日生まれ、長岡市出身。長岡高から日体大に進み、84年から新潟明訓高の体育教員。同時に野球部監督に就任し91年夏の甲子園に初出場。10年夏にベスト8に進出するなど夏7回、春1回、同校を甲子園に導いた。13年から新潟医療福祉大健康スポーツ学科教授になり、硬式野球部監督に就任。20年4月に監督を退き、総監督に就任した。教え子に元広島小林幹英投手、元巨人池田駿投手、阪神桐敷拓馬投手、漆原大晟投手、オイシックス笠原祥太郎投手らがいる。