ヤング、ポニーで全国制覇「関メディベースボール学院」の井戸総監督が伝授 苦しい表情でバットを振り続け、終わった瞬間に地面に倒れる――。プロ野球のキャンプなどで、その姿が映し出されると、賛否が起こる“連続ティー打撃”。本当に意味はあるのでしょ…

ヤング、ポニーで全国制覇「関メディベースボール学院」の井戸総監督が伝授

 苦しい表情でバットを振り続け、終わった瞬間に地面に倒れる――。プロ野球のキャンプなどで、その姿が映し出されると、賛否が起こる“連続ティー打撃”。本当に意味はあるのでしょうか? ヤングとポニー、2つのリーグで全国制覇を果たした兵庫の中学硬式チーム「関メディベースボール学院」(以下、関メディ)の井戸伸年総監督が、チームでも取り入れる「効果的な連続ティー」を伝授します。

 学童野球からプロ野球でも行われる練習方法に、「連続ティー打撃」があります。一般的には重心を低く落とした状態で、トスされたボールを振り続ける練習です。素早く何度もバットを振ることで、身体にキレが生まれ、技術向上につながるとされています。

 一方で体力の消耗も激しく、打撃フォームが崩れたままスイングしている光景も……。苦悶の表情を浮かべる選手を見ると、技術向上よりも“根性練習”として捉えられる場面もあります。ただ、やみくもにスイングするだけでは効果はありません。

 チームを日本一に導き、多くの強豪校に選手を輩出している井戸総監督は、「何のためにやっているかを理解すれば、とても意味がある練習方法です」と、連続ティーの重要性を口にします。では、具体的にどのような点に気を付ければいいのでしょうか?

5球1セットで、5~10セット行えば十分

 井戸総監督は連続ティーで得られるものは「トップの位置を確認できること」と説明します。軸足の股関節(足の付け根)に乗せた体重を、ステップする足の股関節への切り返す(体重移動をする)ことが大事だといいます。バットの出が悪い(タイミングが遅れバットが遅れて出てくる)と感じる時に有効で、確認作業にもなるそうです。

 目安としては5球1セットで、学年にもよりますが、5~10セット行えば十分です。気を付けるポイントしては、「しっかりバットを振り切ってから、スタート位置に戻す際はバットが顔の前を通ること」です。また、バットとボールが当たる瞬間に声を出すことで、腹圧がかかり、より強いインパクトが生まれます。

 レベルが上がっていくと「ローボール連続ティー」や、「レッグアップ連続ティー」と、技術向上に繋がるトレーニングにステップアップすることができます。練習の意図をしっかりと理解し、日々の練習に取り組んでいきましょう。(First-Pitch編集部)