◆アイビスSD追い切り(24日・栗東トレセン) サマースプリントシリーズ第3戦の第24回アイビスサマーダッシュ・G3(28日、新潟)の出走馬が25日、確定した。昨夏のシリーズ覇者ジャスパークローネは栗東・坂路で追い切り、一変気配を漂わせた。…

◆アイビスSD追い切り(24日・栗東トレセン)

 サマースプリントシリーズ第3戦の第24回アイビスサマーダッシュ・G3(28日、新潟)の出走馬が25日、確定した。昨夏のシリーズ覇者ジャスパークローネは栗東・坂路で追い切り、一変気配を漂わせた。

 速い時計より手綱越しの感触が手応えを深めてくれた。ジャスパークローネは栗東・坂路で単走。「やりすぎないようにと思っていました」。そう振り返る団野と呼吸を合わせるように静かに入ると、スムーズな身のこなしで徐々に加速。強く促されることはなかったが、伸びやかなフォームは全く乱れない。最後まで余力十分に駆け上がった。

 時計は55秒7―12秒8。自己ベスト49秒4という快速馬にとって、レース当週では今までで最も遅かった前走時の53秒8より、さらに1秒9も遅い。しかし、団野は「使ったダメージもなく、良くなっているという感じ。上がり重点でラストの反応も良かったです」と言い切る。前走の北九州記念は3月のドバイ遠征以来で、約9か月ぶりの国内戦。清水亮助手も「状態は確実に上向いています」と太鼓判を押した。

 懐かしい記憶がよみがえる。昨年はサマースプリントシリーズ初戦の函館スプリントSでダッシュがつかずに16着と大敗したが、2戦目のCBC賞で鮮やかな勝利。シリーズ制覇につなげた。今年も前走は出遅れが響いた16着。「前回はゲートを出ずに、その時点で競馬にならず。大きなダメージもなかったです」と清水亮助手は振り返る。

 今年も漂う一変気配。身上のスピードが生きる“直千”も1戦1勝の実績がある。「この舞台で勝っていますし、この馬の力を出せれば」と団野。青写真通りの上積みを加え、驚異のV字回復を再現する。(山本 武志)