阪神、オリックス、日本ハムで活躍したデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(42)の「超人目線」。今回のテーマは後半戦。阪神は前半戦を8年ぶりにBクラスターンとなる4位で折り返し貯金1。26日から甲子園に中日を迎え撃つ。糸井氏はキーマンを「み…

 阪神、オリックス、日本ハムで活躍したデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(42)の「超人目線」。今回のテーマは後半戦。阪神は前半戦を8年ぶりにBクラスターンとなる4位で折り返し貯金1。26日から甲子園に中日を迎え撃つ。糸井氏はキーマンを「みんな」と挙げ、打線の復調を期待。また高橋の支配下復帰を「最大の補強」と喜び、完全復活へエールを送った。

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 後半戦はどれだけ打線が投手を援護できるか。この一点に尽きると思います。キーマンは近本選手、中野選手、森下選手、テルに大山選手。1人ではなく、「みんな」を挙げたいですね。前半戦の最終戦となった21日・広島戦(甲子園)は久々に打線がつながり、12得点で大勝しました。昨年のように役割に徹して、打線を文字通り“線”としたいところです。

 前半戦はホントに投手が頑張ってくれました。一方で守備や走塁ミスも散見されましたし、バントで走者を送れないなど、スコアブックには残らないミスもありました。岡田監督がいつもコメントされているように、当たり前のことを当たり前にして、1点差の試合を勝ちきる。本来の戦い方を取り戻したいですね。

 ここから夏本番。猛暑が続くと、自慢の投手陣に疲労が出てくるかもしれません。ただ、タイガースはファームにいい投手がたくさん控えています。先発では青柳投手、伊藤将投手、門別投手、中継ぎでは岩貞投手、漆原投手、島本投手、浜地投手が出番を待っています。投手陣も「みんな」で戦って、阪神の強みを生かしたいところです。

 そしてなんと言っても、「最大の補強」は高橋投手の支配下復帰でしょう。手術して苦労もあったでしょうし、ニュースを聞いたときはうれしくなりました。僕も一緒にプレーしましたが、彼は誰が見てもいい投手。しばらく登板間隔を空けての起用になると思いますが、1軍での勝利を目指して頑張ってほしい。

 ペナントレースの勝負どころは8月と9月。昨年は8月に大型連勝してぶっちぎりました。現在の混戦もいつまでも続くとは思えません。夏場には順位が動くと予想しています。巨人、広島、DeNAはそれぞれ特長があり、あなどれない相手です。それでも阪神には地力があります。

 前半戦はテル、大山選手、森下選手に2軍で再調整する期間が設けられました。岡田監督は夏場を勝負とにらみ、決断されたはずです。みんな、今季の成績には納得していないでしょう。暑い季節を迎え、打線がこのまま湿っているはずがありません。王者の意地を見せて、大暴れしてほしいものです。