「高校野球大阪大会・準々決勝、大阪桐蔭7-3早稲田摂陵」(25日、大阪シティ信用金庫スタジアム) 大阪大会の準々決勝が25日、大阪市の大阪シティ信用金庫スタジアムで行われ、大阪桐蔭が7-3で早稲田摂陵を下して4強入りを決めた。打撃不振に悩…

 「高校野球大阪大会・準々決勝、大阪桐蔭7-3早稲田摂陵」(25日、大阪シティ信用金庫スタジアム)

 大阪大会の準々決勝が25日、大阪市の大阪シティ信用金庫スタジアムで行われ、大阪桐蔭が7-3で早稲田摂陵を下して4強入りを決めた。打撃不振に悩むプロ注目スラッガーのラマル・ギービン・ラタナヤケ内野手(3年)が代打で登場し、特大2ランで勝利に貢献。履正社は9-0で大産大付に勝利した。両校は27日の準決勝で激突する。

 西の横綱の眠れる大砲がついに目を覚ました。大阪桐蔭・ラマルが鳴らした快音に、場内の観客は思わずどよめいた。

 「しっかり捉えて打つことができました」。2点リードの五回2死二塁に代打で登場。低めのスライダーを豪快に振り抜いた。左翼ポール際に放たれた打球は芝生席奥のコンクリートに弾む、推定飛距離120メートルの特大2ラン。吹っ切れた表情でダイヤモンドを一周した。

 打撃不振により3試合連続でスタメン落ち。2年時から名門の4番を担ってきたスラッガーにとって屈辱的な日々が続いていた。タイミングが合わなくなり、最後の夏に絶不調を経験。先の見えないトンネルをさまよい続けていた。

 それでも、「チームが勝つためにこのスタメンが組まれている。サポートで貢献したい」と余計なプライドは捨てた。ベンチで声を出して仲間を鼓舞。今まで主力だった自分が支えられていたように、試合に出ているメンバーに寄り添った。

 境、徳丸ら左の好打者が多い中で右打者の存在は貴重。西谷浩一監督(54)も「ずっと前チームからラマルが4番。(スタメン復帰するのが)一番いい」と期待を懸けた。

 次戦は昨夏決勝で敗れた履正社と対戦する。「去年負けたときから新チームが始まった。勝ちたいです」とラマル。息を吹き返した主砲が大一番のキーマンとなる。

 ◆ラマル・ギービン・ラタナヤケ 2006年4月8日生まれ、18歳。名古屋市出身。179センチ、86キロ。右投げ右打ち、内野手。福春小4年時にプリンスジュニア港で野球を始め、南陽中では愛知港ボーイズでプレー。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。スリランカ出身の両親を持つ。高校通算33本塁打。