(25日、第106回全国高校野球選手権石川大会準決勝、星稜6―0金沢学院大付) 二回、金沢学院大付主将の越村大也捕手(3年)の初打席。応援席から「ハッピーバースデー」の演奏が流れる中、2球目を振り抜いて一塁に頭から滑り込む。チーム初の安打…

 (25日、第106回全国高校野球選手権石川大会準決勝、星稜6―0金沢学院大付)

 二回、金沢学院大付主将の越村大也捕手(3年)の初打席。応援席から「ハッピーバースデー」の演奏が流れる中、2球目を振り抜いて一塁に頭から滑り込む。チーム初の安打となった。

 7月25日は誕生日。小学6年生だった2018年の同じ日も石川県立野球場にいた。場所は一塁側のスタンド。野球少年に贈られたプレゼントがその年の石川大会決勝の観戦だった。金沢学院大付の前身・金沢学院が初めて決勝に進んだ一戦は星稜に0―22で敗れた。

 練習の雰囲気にひかれて進んだ金沢学院大付。あの年以来の決勝の舞台をかけた試合だった。越村捕手は、投手陣に「しっかり、腕を振って投げてこい」と言い、終盤に6点差となっても「こっから、こっから!」と声をかけ続けた。

 整列し星稜との挨拶をおえると、越村捕手はグラウンドにしゃがみこんだ。「今年こそ、甲子園に行けるという気持ちがあったから悔しい」と言葉を絞り出した。

 今年の石川大会4試合、フル出場でずっと4番。捕手として4人の投手をリードした。「自分の配球一つで勝敗が決まって本当に面白い。勝ちたかったけど、最後までみんなと野球できて最高の誕生日だった」(小崎瑶太)