■智弁和歌山前監督 高嶋仁の目 (25日、第106回全国高校野球選手権和歌山大会準々決勝 田辺4―1海南) 田辺の安定した戦いぶりが目立ちました。先発した山本陣世投手(3年)は序盤こそ力が入りすぎて制球が乱れていましたが、試合が進むにつれて…

■智弁和歌山前監督 高嶋仁の目

 (25日、第106回全国高校野球選手権和歌山大会準々決勝 田辺4―1海南)

 田辺の安定した戦いぶりが目立ちました。先発した山本陣世投手(3年)は序盤こそ力が入りすぎて制球が乱れていましたが、試合が進むにつれて海南打線につけいる隙を与えませんでした。打線も四回の好機に「3点目」がとれなかったときは少し心配しましたが、1年生の田中大心選手が得点に絡む2安打を放つなど活躍。捕手の前田海翔選手(2年)も三回以降、海南の盗塁を何度も阻止しチャンスを作らせませんでした。

 八回に失策が記録されましたが、両チームとも堅い守備で引き締まったゲームでした。特に海南の二塁手、森本佑樹選手(2年)のポジショニングがよく、センターに抜けたと思った当たりを正面でさばいていました。田辺打線をよく研究していたのでしょう。

 山本陣投手が完投し、主戦の寺西邦右投手(3年)を登板させずに済んだことは田辺にとって大きな勝利でしょう。準決勝に万全な状態で臨めます。昨年の秋季大会で田辺に敗れた智弁和歌山にとっては、雪辱を期す試合になります。好ゲームを期待しています。(智弁和歌山・前監督)