(25日、第106回全国高校野球選手権香川大会準決勝、高松商9―1高松東、七回コールド) 高松商にさらに点差を広げられた七回表、高松東の大平虎太郎投手(3年)が2死からマウンドに立った。中堅を守る竹本潤平主将(3年)は「虎太郎なら抑えてく…

 (25日、第106回全国高校野球選手権香川大会準決勝、高松商9―1高松東、七回コールド)

 高松商にさらに点差を広げられた七回表、高松東の大平虎太郎投手(3年)が2死からマウンドに立った。中堅を守る竹本潤平主将(3年)は「虎太郎なら抑えてくれる」と背中を見つめた。

 4球目、相手打者が放った球は竹本選手の頭上に高く上がり、落ち着いて中飛に打ち取った。

 「ナイスセンター」「ナイスピッチ」。2人はそんな思いでグラブごしにハイタッチを交わした。

 2人は自宅が近所で、小学1年生からの親友だ。竹本選手は小3のとき、大平選手に誘われて野球を始めた。

 同じ中学と高校に進み、10年近く野球に打ち込んできた。登下校や朝練も一緒で「どんな話でも言える仲」と大平選手は話す。

 コールド回避がかかった七回裏、2死で打席に立ったのは大平選手だった。三振でゲームセット。春王者の高松商は打ち破れなかったが、チームは45年ぶりの4強と大躍進だった。

 試合後、お互いにかけたいひと言は何かと記者が尋ねると、2人の答えは同じだった。

 「ありがとう」(木野村隆宏)