パリ五輪が26日に開幕する。秋田県内からは、バドミントン女子ダブルスと女子マラソンの2種目に計4選手が出場する見込みだ。大舞台を前に地元の壮行会で、パリでの活躍を誓った。 女子ダブルスには、北都銀行(秋田市)の永原和可那選手と松本麻佑選手…

 パリ五輪が26日に開幕する。秋田県内からは、バドミントン女子ダブルスと女子マラソンの2種目に計4選手が出場する見込みだ。大舞台を前に地元の壮行会で、パリでの活躍を誓った。

 女子ダブルスには、北都銀行(秋田市)の永原和可那選手と松本麻佑選手の「ナガマツ」ペアと、八郎潟町出身の志田千陽選手の「シダマツ」ペアが、ともにメダルを狙う。

 「ナガマツ」の2人は北海道出身。2014年に北都銀行入りしてペアを組み、世界選手権を連覇した。五輪は2大会連続の出場で、8強止まりだった東京大会の雪辱を期す。

 2人は7月10日、県バドミントン協会が秋田市内で開いた壮行会に日本選手団の公式ウェアを着て登場。会場では2人の母校の高校バド部の後輩らが寄せたビデオメッセージが流され、リラックスした表情で見入った。

 「東京の悔しい思いを持って、この3年間を歩んできた。それは秋田のみなさんも同じだったと思う。みなさんの思いを胸に、悔しさを晴らしてきたい」と永原選手。松本選手は「北都銀行に入って11年目。秋田のみなさんに支えられて、いまの自分がある。いただいたエールを背負い、自分たちらしくがんばりたい」と決意表明した。

 「シダマツ」ペアの志田選手は、八郎潟小1年から地元のクラブでバドを始め、青森山田中学へ進学した。2016年に再春館製薬所(熊本県)入社。ペアを組む松山奈未選手とは、高校時代から一緒にプレーする。

 八郎潟町は1988年のソウル五輪・レスリングで金メダルに輝いた佐藤満さんら2人の金メダリストが輩出し、町出身のオリンピアンは志田選手が5人目だ。6月29日に町が開いた壮行会には、300人以上の町民が駆け付けた。

 小学校時代に地元クラブで指導した甲谷(かぶとや)甚一さん(67)は「小学1年で初めて見たとき、身体能力の高さに驚かされた。持ち前の明るさを武器に五輪を楽しんで」と激励。母校の児童らから寄せ書きした国旗を贈られた志田選手は「久しぶりに帰郷し、たくさんの愛とパワーをもらった。メダルをとって、またここに戻ってきたい」。

 女子マラソンには、大仙市出身の鈴木優花選手が出場する。大曲高などを経て、第一生命グループに所属。昨年10月のマラソングランドチャンピオンシップで優勝し、パリ五輪を射止めた。米国で調整中の鈴木選手に代わり、7月7日には父茂樹さんらに県内の中高生らが応援メッセージを書き込んだ県旗が託された。

 競技は、バドミントン女子ダブルスが27日~8月3日、女子マラソンは大会最終日の11日に予定されている。

 また、パリ・パラリンピックの男子マラソン(視覚障害)の代表に、秋田市出身の熊谷豊選手(三井ダイレクト損保)が選ばれた。東京パラリンピックに続き、2大会連続の出場となる。(滝沢隆史)