「マイナビオールスターゲーム2024・第2戦、全セ10-16全パ」(24日、神宮球場) 「マイナビオールスターゲーム2024」は24日、神宮球場で第2戦が行われ、広島の坂倉将吾捕手(26)が球宴では57年ぶりで史上3人目、セ・リーグでは初…

 「マイナビオールスターゲーム2024・第2戦、全セ10-16全パ」(24日、神宮球場)

 「マイナビオールスターゲーム2024」は24日、神宮球場で第2戦が行われ、広島の坂倉将吾捕手(26)が球宴では57年ぶりで史上3人目、セ・リーグでは初となる満塁弾を放った。歴史的なアーチで敢闘賞とマイナビドリーム賞を獲得。後半戦での巻き返しへ、これ以上ない弾みをつけた。

 右手を挙げ、笑顔交じりに雄たけびをあげた。6発が乱れ飛んだ真夏の“神宮花火大会”。両軍計26得点の打撃戦で坂倉が一振りで最多の打点を稼いだ。バックスクリーンにたたき込む満塁弾。「振った感じが良かったです。打感もすごく芯に当たっていたので良かったです」と自画自賛で一発を振り返った。

 0-2で迎えた二回2死満塁で楽天・藤井と対峙(たいじ)。フルカウントとなり、「ちょっとダメかなと思った」。しかし、ここは球宴の夢舞台。追い込まれても果敢に高めの直球を強振すると舞い上がった打球はフェンスをギリギリで越える一発となった。スタンドでは傘が揺らめき、宮島さんが流れる。球宴ならではの光景を背にベンチに戻ると、ナインから頭をポンポンたたかれる手荒い祝福を受けた。

 直前に“アシスト”があった。前打者・度会が1死満塁から左飛。犠飛には十分な距離だったが、足の負傷明けだった三走・サンタナが本塁へスタートを切らなかった。「(サンタナが)ピクリともしなかったので、走らないんだと思って。満塁だったので『よし!いったろ!』と思って、思い切って振りました」。思いもよらぬ形で巡ってきた満塁機で最高の結果を生み出した。

 球宴での満塁弾は1967年の大杉勝男以来、57年ぶりの快挙。球宴での自身初安打が歴史に名を刻む一撃となった。「全然実感がないので、そうなんだぁって感じです」。最終的に敢闘賞とマイナビドリーム賞に輝き、大充実の宴となった。

 この一発にベンチの新井監督も身を乗り出すように打球を見つめながら絶叫し、打球がバックスクリーンに飛び込むと大喜び。坂倉は「新井監督からも『シーズンで打ってくれ』と言われました」と明かし、指揮官自身は「思い切りのいいホームランだったと思います」と褒めたたえた。

 今季はここまで打率・203で苦戦中の坂倉。試合前練習中は巨人・丸のティー打撃を凝視して、打撃理論を交わすなど有意義な時間を過ごした。「他球団の人から吸収できる部分もたくさんあった。これからは激しい争いになる。良いメンタル、いい状態でできるように」。最高の結果を引っさげて、勝負の後半戦で巻き返す。

 ◆広島・新井監督「(指導者として初の球宴を終えて)勉強になった。私はコーチをやったことがないから、試合での動きなどコーチの大変さがよく分かった。(岡田監督は)優しい方、野球が大好きな方ですね」