「マイナビオールスターゲーム2024・第2戦、全セ10-16全パ」(24日、神宮球場) ヤクルト・村上が見たかった景色だ。球宴1号を北海道で決めると、本拠地で打たないわけにはいかない。2戦連発となる球宴2号で、神宮に開いた鮮やかな傘の花。…

 「マイナビオールスターゲーム2024・第2戦、全セ10-16全パ」(24日、神宮球場)

 ヤクルト・村上が見たかった景色だ。球宴1号を北海道で決めると、本拠地で打たないわけにはいかない。2戦連発となる球宴2号で、神宮に開いた鮮やかな傘の花。「すごくいいきっかけになる。初めてオールスターで学ぶことがありました」。記憶に、充実感が加わった。

 「自分が現役でやっている間に本拠地・神宮でオールスターがあるっていうのはなかなかない。皆さんに夢を与えられるプレーができればいい」。導かれた縁、奇跡に感謝した。ひときわ大きな歓声を受け、毎打席立った。最大の見せ場は1点差に詰め寄った直後の五回だ。初球、157キロの速球をフルスイングで振り抜くと、後ろ向きに歩みを進めながら左翼へ飛ぶ打球の行方を追った。

 手に残った感触は十分。確信の一撃でバットを放り投げた。村上にとっても球宴は、幼き日に見た憧れの詰まった舞台。「夢を与え続ける場所」と先輩らのつないできたバトンを、つないだ。

 岡本和や近藤らと打撃談議に花を咲かせつつ、「たわいもない話を」と笑う。ホームランダービーでは「緊張しています」と珍しい言葉を紡いだ。神宮、本拠地のファンがくれた思い出。村上が笑顔で声援に応えた。