（24日、第106回全国高校野球選手権兵庫大会準々決勝 神戸国際大付2―4東洋大姫路） 3点を追う九回1死二塁、背番号「1」をつけた神戸国際大付の津嘉山（つかやま）憲志郎主将（3年）が、代打で打席に向かった。 2年前の春、津嘉山主将は沖縄か…
（24日、第106回全国高校野球選手権兵庫大会準々決勝 神戸国際大付2―4東洋大姫路）
3点を追う九回1死二塁、背番号「1」をつけた神戸国際大付の津嘉山（つかやま）憲志郎主将（3年）が、代打で打席に向かった。
2年前の春、津嘉山主将は沖縄から野球をするために神戸国際大付へ入学した。「僕が2、3年生を甲子園に連れていく」。1年夏から期待され、登板してきた。
昨夏は140キロ台後半を投げる投手として注目された。だが、大会後にひじを痛め、昨秋から試合で投げられなくなっていた。
「僕は口数は少なくプレーでチームを引っ張っていた」という津嘉山主将は、ミーティングを増やした。伝えたいことを素直に口にして、仲間の意見にも耳を傾けた。思いがぶつかり、言い合いのようになったこともあった。「どのチームよりも対話をしてきたと思います」
そして今大会前、渡された背番号は「1」だった。投げられないことはチームで分かっていた。青木尚龍監督は「大事な背番号。津嘉山と決めていた」という。
九回、打席に向かう津嘉山主将は「迷いがあったら打てない。楽しもう」と笑顔だった。結果は三ゴロ。最後の夏はベスト8で終わった。
登板できなかった後悔は残る。一方で、「沖縄から神戸国際に来て良かった。高校野球は自分を変えるきっかけになった」と言った。将来はプロ野球の舞台を目指すという。青木監督は「必ず夢を与えてくれるプロ野球選手になってくれる」とエールを送った。（原野百々恵）
