(24日、第106回全国高校野球選手権栃木大会準々決勝 石橋2―1宇都宮商) 春季県大会準優勝の宇都宮商と、昨秋、今春、今夏に8強入りした石橋。「今季の県立校ナンバーワンを決める試合」と言われていた一戦は、石橋に軍配が上がった。宇都宮商の山…

(24日、第106回全国高校野球選手権栃木大会準々決勝 石橋2―1宇都宮商)

 春季県大会準優勝の宇都宮商と、昨秋、今春、今夏に8強入りした石橋。「今季の県立校ナンバーワンを決める試合」と言われていた一戦は、石橋に軍配が上がった。宇都宮商の山口晃弘監督は「粘り強く、よく頑張ってくれた」と選手たちをねぎらった。

 石橋は柳田瑛太(3年)、宇都宮商は佐藤歩(3年)が先発し、両チームとも早い段階から継投に。どの投手も制球力があり、失点を最小限に食い止めた。八回表まで両チーム失策なしという堅い守りが、試合の緊迫感をさらに高めた。

 1―1の同点で迎えた八回裏、宇都宮商はエース山崎翔大(3年)がマウンドへ。かつて石橋で8強に勝ち進んだ兄の巧翔さんから言われた「お前ならいける」との言葉を胸に、8強超えをめざした。四球とこの試合唯一の失策があり、決勝点を許したが、山崎は「持ち味の攻めの投球はできた」と納得していた。

 この日、唯一の適時打を放った主将の飯村允喜(3年)は「失策ではなく、そこまでに投手を援護できなかったチームが負けた。後輩たちには絶対甲子園に行ってほしい」と夢を託した。

 夏の選手権で、県立校は2005年に宇都宮南が出場した後、強豪私学の壁に甲子園への道を阻まれているが、今大会は好試合が目立った。宇都宮商も悲願だった101年ぶりの夏の全国舞台には手が届かなかったが、伝統校の完全復活へ、大きな一歩をしるした。(津布楽洋一)