(24日、第106回全国高校野球選手権大阪大会5回戦 早稲田摂陵4―2太成学院大) 太成学院大の捕手・立石稟太朗選手(3年)は2年半、毎晩のルーティンを欠かしたことがない。 自宅前の電柱を相手投手に見立てて、打席とマウンドの距離にあたる約…

 (24日、第106回全国高校野球選手権大阪大会5回戦 早稲田摂陵4―2太成学院大)

 太成学院大の捕手・立石稟太朗選手(3年)は2年半、毎晩のルーティンを欠かしたことがない。

 自宅前の電柱を相手投手に見立てて、打席とマウンドの距離にあたる約18メートル分離れる。相手の得意な球やコースを想定して、素振りをする。気付けば1時間近く経っている。

 前夜はインコースのストレートの想定でバットを振った。

 どんぴしゃり。2―4で迎えた九回表2死一塁、ファウルで3球粘ってフルカウントから、内角に来た直球を振り抜く。打球は左翼手を越えた。2死二、三塁と一打同点のチャンスをつくった。

 代走が出され、笑顔のベンチに迎えられると、「今までやってきたことが報われた」と思えた。

 だが、あと一本が出ず惜敗。それでも立石選手は「打席に聞こえるぐらい声援を送ってくれたスタンドとベンチの仲間に感謝している。悔いはありません」と振り返った。(西晃奈)