(24日、第106回全国高校野球選手権長崎大会準々決勝 長崎総大付1―0長崎日大) 1点差で敗れ、ベンチからグラウンドに出てきた長崎日大の西尾海純投手(3年)は、肩を落とし、しばらく動かなかった。 秋、春、NHK杯の県大会で3冠を果たしただ…

(24日、第106回全国高校野球選手権長崎大会準々決勝 長崎総大付1―0長崎日大)

 1点差で敗れ、ベンチからグラウンドに出てきた長崎日大の西尾海純投手(3年)は、肩を落とし、しばらく動かなかった。

 秋、春、NHK杯の県大会で3冠を果たしただけに、「何でここで終わったのか早すぎる、と頭が真っ白になった」という。

 動かない西尾投手に、山田小次郎捕手(3年)が駆け寄り、肩に手を置いて一緒に歩き出した。「本当に仲のいい、素敵な仲間に恵まれた」と西尾投手。

 今春、U18(18歳以下)高校日本代表の候補に選ばれた。

 この日も10奪三振の快投だったが、五回に無死で走者を出し、タイムリーを許して失点した。「自分を信じ切って投げた球が打たれたので悔しい」と振り返る。

 「エースの笑顔はチームの力になる」と最終回まで力投した。平山清一郎監督は「以前は力任せに投げていたが、経験を積んで自分をコントロールできるように成長した」とねぎらう。

 本人はプロ志望だ。

 「一日でも早く気持ちを切り替えて練習したい。体をつくり直して、変わったなと思われるくらい頑張る」と、次を見据える。(天野光一)