(23日、第106回全国高校野球選手権千葉大会準々決勝、中央学院0―7木更津総合=8回コールド) 勝負所でのあと一本に泣いた。 四回まで両チーム無得点が続いたが、五回に試合が動いた。 先攻の中央学院は青木勝吾(3年)の初球を捉えた中前安打…

 (23日、第106回全国高校野球選手権千葉大会準々決勝、中央学院0―7木更津総合=8回コールド)

 勝負所でのあと一本に泣いた。

 四回まで両チーム無得点が続いたが、五回に試合が動いた。

 先攻の中央学院は青木勝吾(3年)の初球を捉えた中前安打や颯佐心汰(3年)の内野安打で好機をつくるも、その後がつながらなかった。対して木更津総合は4番打者の井上陸(3年)が3点本塁打を放ち先制した。

 七回の攻撃も同様だった。中央学院は無死一塁で青木が打席に。初球から果敢に振り、2球目の外角に抜けたスライダーをバットを泳がせながら左翼線に運んだ。一塁走者の長江悠人(3年)は三塁に、青木は二塁に進んだ。「上位には打てる打者がいる。つなげて良かった」。だが、後続が凡退し、無得点に終わった。

 一方、その裏の木更津総合は対照的だった。1死一、二塁から本島敬太(3年)の二塁打で2点を加点し、突き放した。

 相馬幸樹監督は「青木はよく頑張ってくれた。その後の打者が硬くなっていて、うちらしい攻撃ができなかった」。

 青木は春の選抜では7安打7打点と4強入りに大きく貢献した。しかし、春の県大会で左足を故障。痛み止めを飲み、なんとか夏の準備を整えて臨んでいた。

 チームはその間、関東大会の初戦で八回コールド負け。夏に向け再建を余儀なくされた。「チームが1からって時に自分は後から入って、追いつく難しさはあった」

 ただ、チームから一歩引いた立場になり、見えたことがあった。主将の中村研心(3年)をはじめ、再出発に向けて奮闘する仲間の姿だ。

 「自分も引っ張っていく自覚をもてた」

 「どんどん振っていくのが自分なりの打線の引っ張り方」。この日も1番打者として積極的な姿勢を常に見せた。

 青木はけがを完治させ、大学でも野球を続ける。「(大学でも)初球から振っていき、捉えていくことを課題にしてやっていく」

 高校野球で見つけた自分のスタイルに、さらなる磨きをかける。=ZOZO(杉江隼)