(23日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会準決勝 向上4―6東海大相模) 五回表、向上が一気に3点を追加して逆転した場面でも、東海大相模の応援団長は落胆しなかった。腕を前で組み、マウンドを真っすぐ見つめていた。 「顔に出すと観客と同じ…

(23日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会準決勝 向上4―6東海大相模)

 五回表、向上が一気に3点を追加して逆転した場面でも、東海大相模の応援団長は落胆しなかった。腕を前で組み、マウンドを真っすぐ見つめていた。

 「顔に出すと観客と同じになっちゃう。応援団長としていつでも前向きに振る舞いたい」と話すのは田邊弥倖(みこ)さん(3年)。後輩らは「団長が悲しんでいるところは見たことがない」という。

 団員は女子6人。以前は男子部員もいたが、「気づいたら女子だけになっていた」。週に3回、野球部の横で声出しをしたり、校内の長いらせん階段を25分間走り続けたりしている。

 田邊さんは中等部2年のとき、野球部の試合を観戦して応援団に入ると決めた。「他の部は一切考えなかった。後悔したことは一度もない。入って本当によかった」とまぶしい笑顔を見せた。

 チームは決勝に進出。力強い応援が、選手の背中を押した。(稲葉有紗)