「マイナビオールスターゲーム2024・第1戦、全パ6-11全セ」(23日、エスコンフィールド) 北の大地でも岡田采配がさえ渡った。06年以来18年ぶりに全セを率いた阪神・岡田彰布監督が、全パ・中嶋監督との無敗対決を制した。全セの連敗を5で…

 「マイナビオールスターゲーム2024・第1戦、全パ6-11全セ」(23日、エスコンフィールド)

 北の大地でも岡田采配がさえ渡った。06年以来18年ぶりに全セを率いた阪神・岡田彰布監督が、全パ・中嶋監督との無敗対決を制した。全セの連敗を5で止め、球宴での監督成績を3戦3勝とした。試合前のミーティングでは「今回(連敗を)止めよかっていう話を(した)」とゲキを飛ばしたことを明かした。

 「10分で決まった」打線が大当たりだった。北海道入りした22日にはオーダーについて「まだ決まらへん」と語っていたが、実は機内で即決していた。3番・牧、4番・岡本和、5番・村上のクリーンアップを選択。自チームでは貧打に苦しむが、全セでは打線が爆発した。二回には打者13人の猛攻で10安打を集め、球宴の1イニング最多得点記録を更新する9得点を奪った。「今年はボールが飛ばないと言ってたけど、今日はすごいホームランが出て、びっくりした」と目を丸くした。

 球宴ならではの和やかな光景もあった。ベンチで“丸ポーズ”を披露。二回2死三塁で巨人・丸が右翼ポール際へ2点本塁打を放つと、三塁側ベンチでは頭上で“マル”をつくり、笑顔で殊勲の丸を迎え入れた。「あれは『マルせえ』言うてたから、新井(監督)と(三浦監督が)」と照れ笑いを浮かべた。

 九回にはオースティンに代えて投手の床田を代打に送った。全パの先発・山崎が2番・DHで初回に才木から左前打を放っていたことに対抗した粋な采配。「新井監督からの推薦で」と内幕を明かし、笑いを誘った。床田は起用に応えて右前打。「いいヒットを見せてもらったんで良かった」とベンチで白い歯をこぼした。

 24日は舞台を神宮に移す。ヤクルト・吉村を先発に送り出し、村上を4番に据えると明言。「もっといい賞を地元の神宮で取ってくれると思う」と“MVP指令”も飛び出した。「セントラルのいい野球を皆さんに見せられた」と充実感を漂わせた。“お祭り”であっても、虎将の勝負強さは健在だった。