「マイナビオールスターゲーム2024・第1戦、全パ6-11全セ」(23日、エスコンフィールド) 「マイナビオールスターゲーム2024」が23日、エスコンフィールドで第1戦が行われ、全セが11-6で勝ち、通算成績を81勝90敗11分けとした…

 「マイナビオールスターゲーム2024・第1戦、全パ6-11全セ」(23日、エスコンフィールド)

 「マイナビオールスターゲーム2024」が23日、エスコンフィールドで第1戦が行われ、全セが11-6で勝ち、通算成績を81勝90敗11分けとした。先発を務めた阪神・才木浩人投手(25)は2回4安打1失点と好投し、球団史上初となる球宴初登板初先発初勝利を達成した。前半戦8勝を挙げた右腕がリーグ連覇を狙う後半戦へ向けて、さらなる飛躍を予感させた。第2戦は24日に神宮球場で行われる。

 抑えて笑顔、打たれて苦笑いと初の球宴を思う存分に楽しんだ。才木が2回4安打1失点。「普通に楽しんで、思いっきり投げようと思ってたので良かったです」。エスコンフィールド初開催。歴史的な一戦を4奪三振の熱投で彩った。

 立ち上がり。先頭打者には試合前日まで直球かカーブの2択で迷っていた。注目の1球は全力のストレート。「真っすぐ行くわ」。捕手の山本にもあっさりと予告した。そこからオール直球勝負を続けていたが、最速154キロと球威が勝って前に飛ばず。「終わらんと思って、途中からフォーク投げました」。水谷を空振り三振に取ると、ニヤリと笑った。

 1死から投手の山崎に左前打を浴び、2死満塁までピンチを広げたが、郡司もフォークで空振り三振。二回2死からは岡の邪飛を二塁の牧が落とした。続く球を右翼へ被弾。「あれはしっかり牧に責任をなすりつけます」。同学年をイジることも忘れなかった。

 二回の攻撃は打者一巡で球宴新記録の1イニング9得点の猛攻。「9点でしょ?初っすね」。人生初の援護点をもらい、ベンチでは巨人の丸ポーズ、DeNA・牧のデスターシャを一緒に披露。「どさくさに紛れてやってました。面白かったです」。お祭りならではの一幕。少年心を思い出した。

 練習が終わると、時間をかけてファンにサインをした。阪神ファンだけではなく、巨人のユニホームを着た人にも。「そんなの関係ないですよ」。敵も味方も関係なく、全員で楽しむ日。登板後は「ベンチで声を出そうと思います」と最前列でナインを鼓舞した。

 オールスターということもあって、2回を投げて勝ち投手。阪神の投手で白星を挙げたのは16年の第1戦の藤浪以来。初登板初勝利は07年の第1戦の久保田(現・1軍投手コーチ)以来となった。さらに、初登板初先発で初勝利は球団史上初。いきなり偉大な記録を打ち立てた。

 前半戦は8勝の快進撃を見せて、チームの柱として活躍。球宴を挟み、後半戦は30日の巨人戦(甲子園)での先発が有力となっている。心待ちにしていた、巨人の岡本和とも交流できた。野球の楽しさを改めて感じ、さらなる飛躍への活力とする。