(23日、全国高校野球選手権北北海道大会決勝 白樺学園5―2クラーク国際) 同点の七回、昨夏の覇者が攻勢をかけてきた。二塁打と四球で一、二塁となり、白樺学園の浅野壮音捕手(3年)は投手を落ち着かせようと、マウンドに駆け寄った。 エースの半沢…

(23日、全国高校野球選手権北北海道大会決勝 白樺学園5―2クラーク国際)

 同点の七回、昨夏の覇者が攻勢をかけてきた。二塁打と四球で一、二塁となり、白樺学園の浅野壮音捕手(3年)は投手を落ち着かせようと、マウンドに駆け寄った。

 エースの半沢理玖投手(同)は劣勢になると熱くなる。まずは捕手が冷静になることを心がけている。「まだ大丈夫だから。思い切って投げてこい」。次打者には変化球を散らす配球で打ち取った。

 継投した左腕の神谷春空投手(2年)は立ち上がりが不安定な時がある。「冷静にゆっくり投げることを意識させた」。終始、落ち着いたリードが光った。

 新十津川町出身。兄は同じ空知地区の滝川西でプレーした。コロナ禍の2020年、選抜大会の出場権を得ながら中止となり、夏の代替大会に出場した白樺学園の先輩たちを見て進路に決めた。

 「甲子園に近いチーム」。だが入部してみると、同級生は10人と例年の半数以下。「谷間の世代」と言われた。準決勝で敗れた先輩の悔しさを受け継ぎ、「10人で甲子園をつかむ」と誓ったが、昨秋は道大会初戦でサヨナラ負け。危機感が募った。

 この夏、2年の打力で勝ち上がってきたが、決勝では3年の自分が主役級の活躍を見せた。先制と勝ち越しの適時打を含む4安打を放った。

 「最後は3年生」(亀田直紀監督)。その評価はうれしかったが、六回に投球をそらし(記録は暴投)失点したことなど満足していない。「甲子園までもう一つレベルアップし、優勝をめざしたい」(古源盛一)