■智弁和歌山前監督 高嶋仁の目 (23日、第106回全国高校野球選手権和歌山大会3回戦 智弁和歌山7―0和歌山南陵) 智弁和歌山の積極的な攻撃がコールド勝ちに結びついた試合でした。和歌山南陵の松下光輝投手(3年)の調子は決して悪くなく、球に…

■智弁和歌山前監督 高嶋仁の目

 (23日、第106回全国高校野球選手権和歌山大会3回戦 智弁和歌山7―0和歌山南陵)

 智弁和歌山の積極的な攻撃がコールド勝ちに結びついた試合でした。和歌山南陵の松下光輝投手(3年)の調子は決して悪くなく、球に力があり制球も安定していました。ただ、智弁和歌山の各打者が甘くなった球を見逃しませんでした。

 初戦で本塁打を打った1年生の松本虎太郎選手が先制の二塁打を放ち、守備の乱れをついて自らもホームインしたことも、上級生たちのよい刺激になったと思います。こういった選手が出てくると、チームに力が増します。昨夏の初戦敗退から、「今夏は必ず甲子園に」というプレッシャーがあると思いますが、それが積極性につながっているのかもしれません。先発した渡辺颯人投手(2年)もほぼ完璧な投球。コントロールもよく、ここぞというときに三振が取れていました。

 敗れはしましたが和歌山南陵は投打とも鍛えられていて、ベスト4以上でもおかしくない力がありました。3年生のみで同校としては「最後の出場」と聞いていますが、もう少し大会終盤まで試合をさせてあげたかったと思えるチームでした。(智弁和歌山・前監督)