「高校野球神奈川大会・準決勝、横浜2-1武相」(23日、横浜スタジアム) 武相・豊田監督は、選手たちの前で号泣した。横浜を苦しめながらもサヨナラ負け。「勝つつもりでいたので。3年生はよくやってくれた。歴史はちゃんとつくってくれた」と大粒の…

 「高校野球神奈川大会・準決勝、横浜2-1武相」(23日、横浜スタジアム)

 武相・豊田監督は、選手たちの前で号泣した。横浜を苦しめながらもサヨナラ負け。「勝つつもりでいたので。3年生はよくやってくれた。歴史はちゃんとつくってくれた」と大粒の涙をこぼした。

 二回に1点を先制し試合の主導権を握った。五回に同点とされたが、左腕・八木は横浜打線を八回まで1失点に抑える好投。九回、2死一、二塁のピンチを迎え1番・阿部葉に対し申告敬遠を選び、前打席まで無安打だった奥村凌との勝負を指示したが、痛恨の1打を浴びた。指揮官は「阿部君なのか、奥村君なのか、その選択が、結果論でしたが後手に回りました」と唇をかんだ。

 富士大で監督を務め、外崎(西武)らを輩出。2020年8月に母校の監督に就任した。今春、神奈川大会を制し、満を持して迎えた今夏は14年ぶりに4強に進出。56年ぶりの夏の甲子園まで、あと2勝と視界にとらえていた。

 横浜・村田監督は試合後、「丸裸にされている感じで、何をやってもうまくいかなかった」と苦戦を振り返ったが、豊田監督は「同じ世代の監督ですから負けられない思いもありましたし、絶対負けたくないという思いもありました」と反骨心。ともに挑戦してきた選手たちには「勝ったことがないチームですから。3年生がよくやってくれた」とねぎらった。さらなる高みを目指すため、「もう一個超えるために、僕も成長しないといけない。あれだけ戦力を相手に、これだけできるのを実証できた。もう一つのレベルアップは、僕かな」と自らに言い聞かせるように誓っていた。