(22日、第106回全国高校野球選手権西東京大会準決勝 桜美林0―9日大二) 0―0の均衡を破ったのは、日大二だった。三回、四球や失策で一死満塁とすると、一気に6点を奪った。だが、桜美林の主将、合代達哉(3年)は動じていなかった。「正直、序…

(22日、第106回全国高校野球選手権西東京大会準決勝 桜美林0―9日大二)

 0―0の均衡を破ったのは、日大二だった。三回、四球や失策で一死満塁とすると、一気に6点を奪った。だが、桜美林の主将、合代達哉(3年)は動じていなかった。「正直、序盤だったので逆転できると思っていた」。

 桜美林は今大会、これまで4試合中3試合で逆転勝ちをしている。20日の5回戦、八王子北戦では一時、4点差をつけられたが追いつき、9回にサヨナラ勝ちした。

 だから、この試合6点取られても、合代はチームメートに「チャンスはある、つかみ取ろう」と声をかけ続けていた。だが、逆転の一歩目となる1点が遠かった。相手投手を捉えきれず、今大会初めて無得点で終わり、逆転劇はならなかった。

 合代は4月下旬、試合中に走者と交錯し、左手首を骨折し、6月までグラウンドに立てなかった。悔しい思いで過ごした日々を支えてくれたのは同級生だ。練習メニューを一緒に考え、夏の大会に向けてみんなでチームを仕上げてきた。

 試合後、津野裕幸監督は「合代には色々と厳しいことを言ってきたけど、最高のチームにしてくれた、最高のキャプテンだった」と、責任感の強い合代に感謝した。

 それを聞き、合代は泣き崩れた。「勝って監督さんを甲子園に連れて行って恩返しがしたかった」。逆境でもあきらめず、チームを鼓舞してきた主将の夏は8強で終わった。=神宮(石川瀬里)