(22日、第106回全国高校野球選手権西東京大会準々決勝 国学院久我山13―14早稲田実) 3時間半を超える激闘の決勝打を放ったのは、早稲田実の3番高崎亘弘(のぶひろ)(3年)だった。 最大で9点あったリードを追いつかれ、13―13で迎えた…

(22日、第106回全国高校野球選手権西東京大会準々決勝 国学院久我山13―14早稲田実)

 3時間半を超える激闘の決勝打を放ったのは、早稲田実の3番高崎亘弘(のぶひろ)(3年)だった。

 最大で9点あったリードを追いつかれ、13―13で迎えた八回裏、1死一塁。和泉実監督に「任せた」と言われ、高崎は打席に入った。仲間もたくさん声をかけてきた。「絶対につなぐ」

 ツーストライクまでは、来た球を思いっきり振ろうと決めていた。初球で一塁走者が2盗を決め、2球目はストライク。4球目、外角低めの直球を思いっきり振った。強いあたりで左中間へ抜け、貴重な1点を奪った。

 終盤、早稲田実は、国学院久我山にのまれそうになっていた。

 七回、エースの中村心大(2年)のストライクが入らなくなった。1点、1点と徐々になくなる点差。国学院久我山スタンドから聞こえてくる大応援。「落ち着いて、落ち着いて」。高崎は三塁を守りながら、中村に声をかけ続けた。そうしないと、自分ものみ込まれそうだった。そんな時に巡ってきた八回の打席だった。

 昨秋、好機に一本が出ずに苦しんだ。冬、一球にこだわり、バットを振りこんできた。その成果が形になった決勝打。「これまでのどんな打席よりも、まじでうれしかった」=神宮(西田有里)