「大相撲名古屋場所・10日目」(23日、ドルフィンズアリーナ) 元幕内の序ノ口炎鵬(伊勢ケ浜)が鶴峰(音羽山)を寄り切って4勝1敗とし、勝ち越しを決めた。鋭く踏み込んでもろ差しになり、瞬く間に勝負をつけた。「勝ち越したことより、今場所一番…

 「大相撲名古屋場所・10日目」(23日、ドルフィンズアリーナ)

 元幕内の序ノ口炎鵬(伊勢ケ浜)が鶴峰(音羽山)を寄り切って4勝1敗とし、勝ち越しを決めた。鋭く踏み込んでもろ差しになり、瞬く間に勝負をつけた。「勝ち越したことより、今場所一番の相撲がとれたことがよかった」と充実感をにじませた。

 昨年夏場所で脊髄損傷の大ケガを負い、7場所ぶりの復帰場所で勝ち越し。番付は十両から一番下の序ノ口にまで下がったが「相撲をとれることがうれしい。それで勝てれば、なおうれしい。全てが今、何でも喜びですね」と、土俵に立てるありがたみをかみしめた。

 この日は呼吸法を変更。落ち着いて相撲がとれるように、深く息を吸って吐くことを心がけた。「新たな扉が開いたというか、大きな進歩があったかな。いろんな方がアドバイスしてくれる。いいものをどんどん取り入れて重ねることで、いい状態で相撲がとれるようにしていきたい」と、探求心は尽きない。

 一時は寝たきりの状態から、厳しいリハビリを乗り越えての再起。勝ち越しという一つの節目に「自分一人じゃ到底ここまで来られなかった。みなさんのおかげでここまで来られた」と感謝した炎鵬。次なる目標を「今日の自分より、明日また強くなること」と掲げ、晴れやかな表情を見せた。