広島・坂倉将吾捕手(26)が後半戦での巻き返しを誓った。前半戦は打率・203、4本塁打、18打点と思うように状態が上がらず、悔しさを味わった。ただ新井貴浩監督(47)は「苦しんだら苦しんだ分、成長できるから」と期待。23日からは監督推薦で…

 広島・坂倉将吾捕手(26)が後半戦での巻き返しを誓った。前半戦は打率・203、4本塁打、18打点と思うように状態が上がらず、悔しさを味わった。ただ新井貴浩監督(47)は「苦しんだら苦しんだ分、成長できるから」と期待。23日からは監督推薦で「マイナビオールスターゲーム2024」に出場する若鯉がシーズン終盤、チームを勝利へと導く。

 このまま終わるわけにはいかない。低空飛行に終止符を打ち、結果でチームの勝利に貢献する。その思いを秘め、坂倉が後半戦に視線を向けた。「結果を残すことを求められるので、何とか打てるように」と気合を入れた。

 5月は月間打率・261だったが、6月は14試合で・146と不振にあえいだ。6月26日に放った4号ソロが実に80打席ぶりの本塁打。本来の姿を発揮できず、シーズン前半を折り返した。

 チームは首位・巨人を1ゲーム差で追走する2位。「後半戦に入ったらチームの順位が最優先。自分の調子がどうこう言ってる場合ではないと思う。打てる打てないというより、勝つことがメインになる。そこに執着してやれれば」。勝利への執念を燃やし、攻守で役割を全うしながら逆襲を目指していく。

 苦しむ姿をベンチから見てきた新井監督も、躍動に期待を寄せる。「サク(坂倉)も今まで順調にキャリアを積み上げてきて、ここまで苦しんだシーズンは初めてだと思う」。試行錯誤を繰り返しながらグラウンドに立った日々は今後、本人の糧になると信じている。

 「苦しんだら苦しんだ分、成長できるから。自分が実際そうだった。たくさん苦しんで、苦しんで、それを乗り越えた経験があるから。彼にとってそういう苦しい経験は初めてだと思うけど、また新しいスタートラインに立つわけだから。そう思ってやってほしい」と背中を押した。

 チームの前半戦2位ターンは2年連続。昨年は前半戦終盤から10連勝も記録したが、覇権奪回を逃した。主力の一人として味わったその経験が、今年に生きると坂倉は言う。

 「昨年の思いをみんな持ってやっている。暑くなってもうひと踏ん張りっていうのも、みんな分かっていると思います。点が取れない中でも勝ったり点を取られても勝ったり、チーム全体が勝てばいい。それにどれだけみんなが向かっていけるか」と、目の前の1勝を必死にもぎ取っていくスタンスを強調した。

 監督推薦で選出された23日からの球宴を挟み、26日からは敵地・神宮から後半戦が開幕。「しっかり貢献できるようにやりたい」。勝負の夏場、坂倉が本領を発揮する。