「高校野球西東京大会・準々決勝、早実14-13国学院久我山」(22日、神宮球場) 西東京大会では早実が国学院久我山との乱打戦を制して、日本ハム・清宮幸太郎内野手(25)を擁した2017年以来となる4強入りを果たした。雷による中断を含む4時…

 「高校野球西東京大会・準々決勝、早実14-13国学院久我山」(22日、神宮球場)

 西東京大会では早実が国学院久我山との乱打戦を制して、日本ハム・清宮幸太郎内野手(25)を擁した2017年以来となる4強入りを果たした。雷による中断を含む4時間27分の激戦。木製バットを使うプロ注目スラッガーの宇野真仁朗内野手(3年)が高校通算64号となる満塁弾を放ち、チームをけん引した。

 じっとりと額にかいた汗、神宮の赤土が染みついたユニホームが激戦を物語る。宇野は安堵(あんど)の表情で勝利の喜びをかみしめた。

 「ベスト8という壁がなかなか越えられなかった。すごい粘りで追いつかれましたけど、終わって今はホッとしました」

 序盤、試合を動かしたのは宇野だった。雷による中断を挟んだ1-3の二回、1死満塁で打席へ。一、二塁間が空いたシフトが視界に入っていたが、「自分の打撃を貫くことしか考えてなかった」と集中。カウント2-2からチェンジアップをすくい上げ、一時逆転の左越え満塁弾を放った。

 これが2試合連発となる高校通算64号。視察したロッテ・福沢スカウトは「長打を警戒されている中で打つのは大したもの。凡打でも全力疾走しているところも評価できる」とうなずいた。

 前日21日には、高校通算111本塁打を放ったOBの日本ハム・清宮が「めっちゃ甲子園行ってほしい。早く(差し入れなどを)寄付させてくれって(笑)」と自身が1年時の15年以来となる夏の甲子園出場を願ってエール。OBによる激励会で声をかけてもらった経験があるという宇野は「何か道具がほしいですね」と照れながらおねだりしつつ、「ここぞで打つのが早実の主砲。追いつきたい」と力を込めた。

 元日本ハム・斎藤佑樹氏も指導した和泉実監督(62)は「清宮よりは寡黙ですが、ナインに与える影響や信頼は同じものがある」と主将としての存在も評価。この激戦を糧に、9年ぶりの聖地を狙う。

 ◇宇野真仁朗(うの・しんじろう)2006年7月5日生まれの18歳で、ドジャース・大谷翔平と同じ誕生日。千葉県浦安市出身。178センチ、82キロ。右投げ右打ち。小学4年時から浦安ベイマリンズで野球を本格的に始め、日の出中では市川リトルシニアに所属。早実では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒1。