【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆血統で振り返る中京記念 【Pick Up】アルナシーム:1着  母ジュベルアリは、アルアイン(皐月賞、大阪杯)、シャフリヤール(日本ダービー、ドバイシーマクラシック)の全姉に…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返る中京記念

【Pick Up】アルナシーム:1着

 母ジュベルアリは、アルアイン(皐月賞、大阪杯)、シャフリヤール(日本ダービー、ドバイシーマクラシック)の全姉にあたる超良血。1歳時にサンデーサラブレッドクラブの募集ラインナップに入ったものの、故障により取り下げとなりました。

 しかし、その良血は母となって威力を発揮し、アルナシームを産みました。その半妹で2歳のポートデラメール(父ナダル)は6月9日の京都新馬戦(芝1200m)を快勝しています。

 2代母ドバイマジェスティはBCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7ハロン)の勝ち馬で、子だけでなく孫の代からも重賞勝ち馬を出したことで、その信頼性は一層高まりました。

 本馬は「モーリス×ディープインパクト」。この組み合わせの重賞勝ち馬は、ジェラルディーナ(エリザベス女王杯、オールカマー)、ディヴィーナ(府中牝馬S)、ルークズネスト(ファルコンS)に次いで4頭目です。日曜小倉の九州スポーツ杯(2勝クラス・芝1200m)を勝ったミルテンベルクもこの組み合わせで、同馬は2歳時に小倉2歳S(GIII)で2着となっています。連対率20.7%、1走あたりの賞金額254万円は、モーリス産駒全体の18.3%、197万円をそれぞれ上回っており、モーリス産駒のニックスといえるでしょう。

◆血統で振り返るしらかばS

【Pick Up】ゾンニッヒ:1着

 母エンドレスノットは、マカヒキ(日本ダービー、ニエル賞)、ウリウリ(京都牝馬S、CBC賞)、ウーリリ(毎日杯-2着)の全姉にあたる超良血。本馬は母の初仔で、すでにダービー卿CT(GIII)で3着という成績があります。

 父ラブリーデイは天皇賞(秋)(GI)、宝塚記念(GI)の勝ち馬。種牡馬としてはグリューネグリーン(京都2歳S)のほかに、障害界のスター候補セブンデイズ(中山新春ジャンプS)などを出しています。

 ゾンニッヒと100%同血のジャカランダレーン(父が同じで母ウリウリはエンドレスノットの全妹)は、芝短距離で3勝クラスまで出世しており、札幌芝コースは[1-1-0-0]。ゾンニッヒは、今回の勝利以外に函館の青函S(OP)を勝った経験があり、洋芝は得意な血統といえるでしょう。