(22日、第106回全国高校野球選手権佐賀大会準決勝 神埼1―2有田工) 「ヨッシャー」。八回裏、有田工の3人目の打者を三振に打ち取り、この回を0点に抑えると、神埼の平田友希投手(3年)はマウンド上で雄たけびをあげた。主将として、1点を追…

 (22日、第106回全国高校野球選手権佐賀大会準決勝 神埼1―2有田工)

 「ヨッシャー」。八回裏、有田工の3人目の打者を三振に打ち取り、この回を0点に抑えると、神埼の平田友希投手(3年)はマウンド上で雄たけびをあげた。主将として、1点を追うチームを鼓舞する思いもあった。

 シード校だった昨夏も、2年生ながら初戦先発。しかしその早稲田佐賀戦で、八回表に逆転しながらリードを守れず、その裏の途中で降板、試合も敗れた。

 「一球の怖さを学んだ」はずだったが、新チームになった直後の昨秋、有田工との練習試合で大古場彩斗選手にサヨナラ本塁打を打たれた。

 「生まれ変わった自分を見せるしかない」。この夏は、一球もゆるがせにしない覚悟で臨んだ。

 準々決勝までの3試合をすべて完投し、失点は3。この日も、横手から直球と変化球を巧みに織り交ぜ、強打の有田工を6安打の2点に抑えた。

 チームは九回表に1死二塁の好機をつくったがあと1本が出ず、惜敗。「勝ちたかったけど、自分の投球をやりきった。悔いはない」(小陳勇一)