「ボクシング・10回戦」(8月24日、大和アリーナ) 前WBC世界ミニマム級王者の重岡優大(27)=ワタナベ=が22日、都内で記者会見を行い、ボクシング興行「LUSHBOMU feat.3150FIGHT」でWBO12位のサミュエル・サル…

 「ボクシング・10回戦」(8月24日、大和アリーナ)

 前WBC世界ミニマム級王者の重岡優大(27)=ワタナベ=が22日、都内で記者会見を行い、ボクシング興行「LUSHBOMU feat.3150FIGHT」でWBO12位のサミュエル・サルバ(27)=フィリピン=と再起戦を行うことを発表した。

 優大は3月31日に行われた2度目の防衛戦で、メルビン・ジェルサレム(フィリピン)にスプリット判定でプロ初黒星を喫し、王座転落した。

 敗戦で「自分の弱さを知ったというか、ショックを受けました」という優大は「負けた直後ですけどね。(辞めようと)思いましたね。そこまでメンタル的には落ちちゃった」と、引退も頭をよぎったことを告白。

 そこから「周りの応援してくれている人たちのおかげでもう一回頑張ろうと思えた。またリングに立ってほしいと思ってくれている人たちがこんなにたくさんいるんだな。一人でもいる限りはリングに立つしかやれることはないのかなと思って」と立ち直った。

 特に、弟でIBF王者の重岡銀次朗(ワタナベ)から「お兄ちゃん、いてくれないと俺も続けたくない」といった内容のことを言われたのが「正直けっこう心に残っていて、もう一回頑張ろうかなと心が動きましたね」という。

 前回の敗因を「1ラウンド目にパニックになって、流れも持っていかれたし、やりたかったことは全然できなかったし。最初に流れをつかむ、主導権を握るとかよく言うけど、その通りそれをされて負けた」と改めて振り返り、「まだまだ未熟でたくさん穴があるので、一つ一つ確実に埋めていって一歩一歩レベルアップしていきたい」と強化ポイントを挙げた。

 相手のサルバは2019年にレネ・マーク・クアルト(フィリピン)をIBF王座挑戦者決定戦で破り、王座決定戦でペドロ・タドゥラン(フィリピン)と対戦。今月28日には銀次朗の王座に挑戦するタドゥランに負傷棄権で敗れたのがプロ唯一の黒星で、戦績は20勝(13KO)1敗。

 3150FIGHTの亀田興毅ファウンダーも「なんで復帰戦でいきなり強いヤツとやってんのか。世界戦の防衛戦でやるような選手」とあきれる難敵だが、優大は候補から「一番強い選手を選んだ」といい、「やり応えのある選手、自分に険しい選手を選ぼうかなと思って」と、あえて難路を進むことを明かした。

 今回の契約体重はライトフライ級に近いが、優大は「僕的にはあの日からジェルサレムの顔を忘れた日はないんで、いつかリベンジしたいと思ってるんで、このまま階級上げるわけにはいかないなって」とミニマム級にとどまることを明言。

 「まだこの階級で強くなれるし、この階級でやることがあるし、体重が落とせないわけでもないので。この階級を制覇しないと次には進めないかなって。弟と(主要4団体のミニマム級で)全部ベルト取るって言ってたんで、それも後悔しないかなとか、いろいろ考えて、この階級でリベンジしてもう一回チャンピオンになろうという考えに行き着きました」と、その理由を説明し、亀田氏は「年内にはチャンピオン返り咲きの舞台を用意させてもらえれば」と期待していた。

 優大の再起戦はセミファイナルで行われる。メインイベントはIBFフェザー級3位の亀田和毅(TMK)と2位のレラト・ドラミニ(南アフリカ)のIBF王座挑戦者決定戦になる。