「大相撲名古屋場所・9日目」(22日、ドルフィンズアリーナ) 8日目から途中出場の十両尊富士(伊勢ケ浜)が復帰2連勝を飾った。鋭い立ち合いから時疾風(時津風)に反撃を許さず、一気に押し出した。 春場所で110年ぶりの新入幕優勝。同14日目…

 「大相撲名古屋場所・9日目」(22日、ドルフィンズアリーナ)

 8日目から途中出場の十両尊富士(伊勢ケ浜)が復帰2連勝を飾った。鋭い立ち合いから時疾風(時津風)に反撃を許さず、一気に押し出した。

 春場所で110年ぶりの新入幕優勝。同14日目に痛めた右足首の回復が遅れ、夏場所を全休した。前日の復帰戦を白星で飾り、この日も完勝。それでも「まあまあっすね。勝ち負けより、どうケガをしないか、どう痛みかを乗り越えるのか必死。気持ちだけでやっている」と、回復途上の厳しい状況を明かした。

 右足首の状態を悪化させないことが第一。そのために「相撲をとらないこと」を念頭に置いているという。その意味合いを「相撲をとったらケガをする。相撲の感覚を忘れて、気合の勝負」と説明。「元気で相撲をとりたい」と切実な思いものぞかせた。

 8日目に続いて、観客からは大きな声援を浴びた。「お客さんがいるからやっている。声援が力になっている」と気持ちを奮い立たせた尊富士。最後は「錦富士関が誕生日なので、そのために勝ちをと思って。それだけです」とちゃめっ気を交え、28歳になった兄弟子に祝福の白星を送ったことを喜んだ。