(21日、第106回全国高校野球選手権石川大会3回戦 金沢二水3―9小松大谷) 「高校野球」をしよう。金沢二水はそう掲げて大会に挑んだ。意味は「全力で、思いっきり野球をする」。寺師誠監督の教えだった。 昨夏4強の小松大谷を相手に、初回から…

 (21日、第106回全国高校野球選手権石川大会3回戦 金沢二水3―9小松大谷)

 「高校野球」をしよう。金沢二水はそう掲げて大会に挑んだ。意味は「全力で、思いっきり野球をする」。寺師誠監督の教えだった。

 昨夏4強の小松大谷を相手に、初回から打線が奮起。4安打で2点を先取した。

 夏の石川大会では18年ぶりの3回戦進出でスタンドの応援も盛り上がる。生徒会の呼びかけで約80人が駆けつけ、今大会初めての団体応援となった。マネジャー6人は試合前日までの3日間で応援歌の曲名を大きく書いた20枚のボードをつくり、応援を引っ張った。

 先発は背番号1の中田都希投手(3年)。今は172センチ、69キロのがっしりとした体形だが、1年のときは細く、球が最後まで伸びないことが悩みだったという。食べることは得意でなかったが、3年までに20キロ増量。体重をのせた投球ができるようになった。

 この日は「自分しかいない」と気持ちを入れてマウンドに上がった。ただ一回裏に「痛かった」という3点本塁打を浴びる。六回裏1死一、二塁のピンチで降板。「もう少し抑えたかった」と悔やみ、仲間には「ついてきてくれて、感謝しかない」と言葉を詰まらせながら話した。

 高校野球は終わりだが、中田投手は大学でも野球をしたいと話す。今まで教わってきた「高校野球」の神髄を「受験にも生かしたいです」。(砂山風磨)