「阪神12-3広島」(21日、甲子園球場) 広島は投手陣が崩れ、今季初の2桁失点で阪神に大敗。連勝は3で止まり、2018年以来6年ぶりの前半戦首位ターンを逃した。先発・九里亜蓮投手(32)が三回に6失点するなど大炎上。今季最短の2回2/3…

 「阪神12-3広島」(21日、甲子園球場)

 広島は投手陣が崩れ、今季初の2桁失点で阪神に大敗。連勝は3で止まり、2018年以来6年ぶりの前半戦首位ターンを逃した。先発・九里亜蓮投手(32)が三回に6失点するなど大炎上。今季最短の2回2/3でKOされた。前半戦を勝利で締めくくれなかったが、2位での折り返し。新井貴浩監督(47)はナインの奮闘をたたえ、6年ぶりのリーグ制覇へ向けて後半戦も全員野球で挑む姿勢を強調した。

 敵地の大歓声をかき消すことはできなかった。快音が響くたび、九里は肩を落としながら本塁ベースカバーに向かった。一度火の付いた阪神打線の勢いを止められず、屈辱の今季最短KO。右腕は「先制点を取ってくれたのに、チームが勝てるようなピッチングができなかった。受け止めて、しっかりやりたい」と悔しさをにじませた。

 1点リードの三回だ。1死一、二塁から中野に左翼線に運ばれ同点。森下は三ゴロに打ち取って2死までこぎ着けたが、前回対戦で2被弾していた佐藤輝への初球が甘く入って勝ち越しの右前適時打を浴びた。1点だけで食い止めたかったが、ここから目を覆いたくなるような光景が続いた。

 大山、前川、木浪に痛打され佐藤輝から4連続適時打。打者9人の猛攻で5点目を奪われると、新井監督がベンチを立った。2回2/3を6失点。本人は「いろんなところを見つめ直して、いいものを出せるようにしたい」と懸命に前を向いた。

 先発した10日・巨人戦が四回途中降雨ノーゲームとなり、続く14日・ヤクルト戦も雨天中止。この日が3日・阪神戦以来の先発マウンドだった。それも踏まえ、指揮官は「登板間隔がけっこう空いたので、逆に難しいところがあったのかなと思う。リセットして後半戦に向けて備えてほしい」と背中を押した。

 2桁失点が今季初だったように、前半戦は投手陣の奮闘が際立った。最少失点に抑えながら攻撃陣は少ない好機を生かして得点し、ロースコアの接戦をもぎ取るのが一つの形となっている。

 指揮官は「投手陣が本当によく頑張ってくれている。野手もなかなか点は取れないけど、みんな守備で頑張ってくれている。最初からいく選手、後からいく選手、全員が頑張っているから今、全員の力でここにいるんだと思う」と、個々の働きぶりに手応えを感じつつ前半戦を総括した。

 6年ぶりの首位ターンはならなかったが、チームは貯金「6」の2位。昨年に続き、2位でペナントレースを折り返す。「後半戦は残り試合も少なくなって、さらに厳しくなっていくと思う。そこも全員で乗り切っていきたい」と一致団結を強調した新井監督。球宴休みを挟み、後半戦は26日・ヤクルト戦(神宮)から。ナインの総力を結集させ、6年ぶりの覇権奪回へと突き進んでいく。