「阪神12-3広島」(21日、甲子園球場) 先発野手全員適時打と打線が爆発した阪神が13安打12得点で連敗を4でストップ。前半戦の最終戦を白星で締めた。21年から4年連続の貯金ターンとなった。デイリースポーツ評論家の井川慶氏は三回の攻撃に…

 「阪神12-3広島」(21日、甲子園球場)

 先発野手全員適時打と打線が爆発した阪神が13安打12得点で連敗を4でストップ。前半戦の最終戦を白星で締めた。21年から4年連続の貯金ターンとなった。デイリースポーツ評論家の井川慶氏は三回の攻撃に注目。失投を見逃さなかった佐藤輝明内野手の適時打をポイントに挙げた。

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 終わってみれば大勝での前半戦フィニッシュとなりましたが、ポイントは、三回2死一、三塁での佐藤輝選手の勝ち越し打だったと思います。

 まず投手目線で見ると、九里投手の状態はすごく悪かったわけではなく、あそこで踏ん張れば同点で終われる場面。そこから乗っていくためのきっかけにできるようなところで、初球の甘く入った真ん中高めの直球を打たれてしまった。

 投手からすれば、じっくりと球数を使ってでも抑えないといけない状況での、不用意なミスと言える1球だったわけです。これを佐藤輝選手が逃すことなく、ひと振りで仕留めたところに価値がありました。

 仮にあの打球がアウトになっていれば、初球から打ちにいってもったいない、と言われたりもするような場面です。思うように得点できずに連敗していたわけですが、そういった中でも積極性を失わずにタイムリーとしたところが見事でしたし、他の野手陣もみな、自分のスタイルで結果を出したように映りました。そういった意味でも、後半戦に弾みがつく勝利になったと思います。