「阪神12-3広島」(21日、甲子園球場) 初々しい面持ちでマウンドに向かった。阪神のドラフト5位・石黒佑弥投手(JR西日本)が10点差の八回2死でプロ初登板を果たした。「とりあえず思い切って投げようという感じでいきました」。初球は石原の…

 「阪神12-3広島」(21日、甲子園球場)

 初々しい面持ちでマウンドに向かった。阪神のドラフト5位・石黒佑弥投手(JR西日本)が10点差の八回2死でプロ初登板を果たした。「とりあえず思い切って投げようという感じでいきました」。初球は石原の内角高めへ147キロの直球を投じた。2球目のファウルには肝を冷やしたが、2ストライクと追い込み、最後は139キロのフォークで遊ゴロに仕留めた。

 15日の初昇格から7日目。23年度のドラフト同期で一番乗りとなる1軍デビューだった。ブルペンから緊張に襲われたが「心拍数上げすぎたら、いいピッチングができない」という福原2軍投手コーチの教えを思い出し、平常心を取り戻した。

 「自分でいっぱいいっぱいだった」という“初仕事”を終えてベンチに戻ると、ようやく甲子園の雰囲気を味わう余裕ができた。「見渡すとやっぱりすごいお客さんで、月もきれいだった」と感傷に浸った。記念のボールは「両親に渡そうかな。『とりあえず1軍で投げたよ』っていう報告はして」。わずか3球だったが、聖地に確かな足跡を刻んだ。

 ◆石黒 佑弥(いしぐろ・ゆうや)2001年6月20日生まれ、23歳。愛知県出身。180センチ、83キロ。右投げ右打ち。投手。星城、JR西日本を経て23年度ドラフト5位で阪神入団。球種はカーブ、スライダー、カット。今季ウエスタンは28試合で2勝3敗5セーブ、防御率2・13。座右の銘は「ちりも積もれば山となる」「七転び八起き」