「阪神12-3広島」(21日、甲子園球場) 大量援護にも油断大敵と気を引き締めて腕を振った。阪神・西勇輝投手が6回2失点で、6月13日・オリックス戦以来となる4勝目。前半戦ラストゲームを自身299日ぶりの甲子園星で飾って、「借金と貯金で終…

 「阪神12-3広島」(21日、甲子園球場)

 大量援護にも油断大敵と気を引き締めて腕を振った。阪神・西勇輝投手が6回2失点で、6月13日・オリックス戦以来となる4勝目。前半戦ラストゲームを自身299日ぶりの甲子園星で飾って、「借金と貯金で終わらせるのは違うし、みんなが気持ち良く打って良かったんじゃないですか」と大勝を受け止めた。

 虎党が沸きに沸く展開も、マウンドでは複雑な感情と向き合った。「誰もが勝ったと思う展開が一番難しい。フォアボールもあかん、リズム良くいかなあかん。勝つだろうというプレッシャーもそうだし。無駄なものができない。ヒット1本も許されないように感じる」。大量リードをもらった後は毎回得点圏にランナーを背負ったが、1失点で踏みとどまった。

 プロ16年目のシーズンに“勲章”が増えた。6月21日・DeNA戦で2000投球回を達成。記念パネルにはチームメートにサインを入れてもらった。「ゴールデングラブや初勝利のウイニングボールなどと一緒に家に飾ってます」。2000投球回をクリアしている元オリックス・星野伸之氏からも祝福LINEを受け取った。「多くの方にいろんな言葉をもらって、野球をやってきて良かったと思えました」と金字塔を発奮材料に変えて、チームの連敗を止めた。

 苦しい試合も多かった前半戦を、粘投で“貯金締め”。「いい気持ちでオールスターブレークに入って、しっかりみんなで切り替えて、いい流れでやっていければ」。勝負の夏場、背番号16の力と経験が必要となる。