「高校野球広島大会・4回戦、広島商5-2広島国泰寺」(21日、電光石火きんさいスタジアム三次) 一度だけ吠えた。劇的な一発にも派手なガッツポーズはなかった。広島商・米田歩生捕手(3年)が値千金のサヨナラ3ラン。「それまでのチャンスを全部自…

 「高校野球広島大会・4回戦、広島商5-2広島国泰寺」(21日、電光石火きんさいスタジアム三次)

 一度だけ吠えた。劇的な一発にも派手なガッツポーズはなかった。広島商・米田歩生捕手(3年)が値千金のサヨナラ3ラン。「それまでのチャンスを全部自分がつぶしていた。決めないとダメだなと思っていた」。寡黙にダイヤモンドを回る姿からは先の戦いを見据える覚悟がにじんだ。

 シード校の国泰寺に対して、初回に2点を先制され、苦しい展開が続いた。六回にようやく追いつくも、再三の好機を生かすことができずに迎えた九回1死一、二塁。米田が振り抜いた打球は高い放物線を描いて左翼席に飛び込んだ。

 荒谷監督は「苦しい展開になったのも、監督の采配が良くなかったから。その分を米田がカバーしてくれた。今日は選手に監督が救われた」と感謝。一致団結で目指すのは5年ぶりの夏頂点だ。