「高校野球東東京大会・5回戦、東京5-0共栄学園」(21日、大田スタジアム) 東東京大会では東京が昨夏王者の共栄学園を破り、2014年以来となる8強入り。プロ注目の永見光太郎投手(3年)が投げては1安打完投、打っては2安打2打点の活躍をみ…

 「高校野球東東京大会・5回戦、東京5-0共栄学園」(21日、大田スタジアム)

 東東京大会では東京が昨夏王者の共栄学園を破り、2014年以来となる8強入り。プロ注目の永見光太郎投手(3年)が投げては1安打完投、打っては2安打2打点の活躍をみせた。

 東東京で「東京」が躍進している。創立152年という伝統ある私立校が、10年ぶりに最高成績に並ぶ8強入り。投打で中心となったのは、プロ注目の永見だ。

 「力のある打者が多いので、甘く入らないように。力まないでコースを意識して投げました」

 7回コールドで勝利した19日の立教池袋戦では、参考記録ながらノーヒットノーラン。中1日での登板となったこの日はカーブで緩急を使うなど工夫し、打たせて取る投球を展開した。昨夏王者をわずか1安打に封じ「疲れはあったんですけど、良い投球ができました」と納得顔。1点を先制した三回2死一、二塁の打席では左越えに2点適時二塁打をマークし、打撃でも貢献した。

 数学塾の「上野塾」を前身とする同校は、体育会系コースがあり、陸上やラグビーなどが強豪。東京都にある東京高とだけあって、松下浩志監督は「東大の付属校?ってよく聞かれましたね」と笑う。永見は中学の先輩が通っていたことから野球部の体験会に参加し、「雰囲気が良かった」と同校へ進学。当初は「強さとか関係なく、とにかく野球を続けられればと思っていました」という。

 今春都大会の3回戦で二松学舎大付に1失点完投勝利を挙げ16強入りし、一躍脚光を浴びた。次戦は、同4回戦で敗れた日大豊山と戦う。「しっかり力を出し切りたい」と雪辱を約束。伝統校の新たな歴史を刻むべく、腕を振る。(間宮 涼)

 ◆東京高校 1872年に数学塾の「上野塾」として創立。東京数理学校、東京数学院、東京中学を経て1954年から現校名。陸上競技部・ラグビー部・女子硬式テニス部・チアリーディング部などが全国レベルで、野球部は強化指定部。春夏通じて甲子園出場はなし。卒業生には落語家の立川談志や陸上短距離のケンブリッジ飛鳥ら。大田区の鵜の木に校舎がある。