「中日1-4巨人」(21日、バンテリンドーム) 接戦を勝ち切った試合後でも、巨人・阿部慎之助監督の表情が緩むことはなかった。6戦ぶりに先発起用した若林が先制2ランを含む3打点。先発・菅野から七回以降、小刻みな継投で勝利をつないだ。勝つこと…

 「中日1-4巨人」(21日、バンテリンドーム)

 接戦を勝ち切った試合後でも、巨人・阿部慎之助監督の表情が緩むことはなかった。6戦ぶりに先発起用した若林が先制2ランを含む3打点。先発・菅野から七回以降、小刻みな継投で勝利をつないだ。勝つことだけに徹し、さえわたる指揮官のタクト。貯金を今季最多で、778日ぶりの8とした。

 「みんなの頑張りがあって、ここまで来ることができました」。夏場の快進撃を支えるのが役割の徹底、投打で戦う形が固まったことが勝因にある。6月27日のDeNA戦から、5番までの上位打線を固定。2点リードの六回には2番・吉川の三塁打から、3番・ヘルナンデスの右犠飛で追加点を奪った。

 ケラー、バルドナード、大勢とつなぐ勝利の方程式。七回、ケラーが2死満塁を背負うと高梨が火消しに回った。八回はバルドナードが2死満塁としたが、船迫が得点を許さなかった。「自分の持ち場が分かってきた。そこで仕事を全うしようとする姿が見える」と指揮官。監督就任後、選手に求めたのは「自己犠牲」の精神。巨人軍として戦う形を模索してきた。

 広島が阪神に敗れ、首位に再浮上。20年以来4年ぶりの首位ターンで、V確率は83・3%と好データが残る。連勝で対中日戦も8勝7敗1分けとし、セ・リーグ全球団に勝ち越した。前半戦では球団34年ぶりの快挙だ。「ここからはもっと大事な試合が続いていく。同じ方向を向いて戦う」と阿部監督。4年ぶりのV奪回へ、勝負の後半戦に向かう。