(21日、第106回全国高校野球選手権大分大会3回戦 津久見7―4臼杵) 「ここで壊れてもいい。今を一生懸命やろう。そして楽しもう――」。臼杵のエース三浦真羽(まう)投手(3年)は延長十回タイブレークのマウンドに上がった。「体力とか球速とか…

(21日、第106回全国高校野球選手権大分大会3回戦 津久見7―4臼杵)

 「ここで壊れてもいい。今を一生懸命やろう。そして楽しもう――」。臼杵のエース三浦真羽(まう)投手(3年)は延長十回タイブレークのマウンドに上がった。「体力とか球速とかじゃなく、気持ちの勝負」

 試合は序盤から津久見に主導権を奪われた。3点を追う六回表、3番手として登板した。前2人の投手は2年生。「先輩として点を与えない気持ちだった。流れを持ってきたかった」

 六回に続いて七回も無安打に抑えた。その裏、1点を返して2死一、二塁から武生(たきゅう)空選手(3年)が三塁打を放ち同点に追いついた。三塁側スタンドやベンチの盛り上がりは最高潮に。そして迎えた延長十回表のタイブレークだった。

 進塁は許したものの2死まで追い込んだ。しかし、1ボール、1ストライクから3球目、アウトコースのスライダーをはね返された。「今日投げた一番のベストボール。相手が一枚上手だった」。この回の3点を返せず、熱戦が終わった。

 三浦投手は試合後、あふれる涙をこらえながら、「朝も昼も一生懸命やってきた。甲子園に行くためだけに練習してきた。でもやりきった」と語った。(大村久)