（21日、第106回全国高校野球選手権千葉大会5回戦 市船橋5―1専大松戸） 市船橋は10個の犠打飛を集めた。その数の多さに勝因が詰まっていた。 相手の専大松戸は昨夏の甲子園出場校で、今春の県大会も制している。安打を重ねての得点は期待でき…
（21日、第106回全国高校野球選手権千葉大会5回戦 市船橋5―1専大松戸）
市船橋は10個の犠打飛を集めた。その数の多さに勝因が詰まっていた。
相手の専大松戸は昨夏の甲子園出場校で、今春の県大会も制している。安打を重ねての得点は期待できない。だからこそ、小技を徹底した。
まずは二回。2死球と犠打で1死二、三塁とすると、7番松井佑がセーフティースクイズ（記録はバント安打）を決めて先制した。
三回は無死一、三塁の好機をつくり、大会屈指の右腕・梅沢翔大を引っ張り出す。その初球、4番大野七樹は直球を捉え、中犠飛にした。「色んなボールを交ぜられたら打てるピッチャーじゃないんで。初球だけ頑張れって送り出した」と海上雄大監督。読みがピタリとはまった。
七回に1点を返され、流れが傾きかけたが、八回、再び仕掛けた。
死球と捕逸で無死二塁とすると、4番大野から3者連続犠打。この回だけで四つの犠打を決め、そこに野選や敵失も絡んで3点を加えた。試合の流れを完全に自分たちに戻した。
昨秋、今春と県大会2回戦で敗れた。低反発のバットに変わり、どう得点するかを考えたという。「きちっとチャンスをものにする場面をどう増やすか。そこには（犠打を）しっかりやりたいと選手に話してきた」と海上監督は言う。
この日、好右腕を相手に、きっちりと実践した。大野は胸を張った。「相手もバントをそこまでやってくると思っていなかったと思う。試合中、ずっと攻め続けることを目標にやってたんで、それがしっかりできた」=千葉県総合SC（大坂尚子）
