「ドジャース7-6レッドソックス」(20日、ロサンゼルス) 三塁走者のK・ヘルナンデスが勝利のホームを踏んだ瞬間、大谷は二塁ベース上で手を叩き、笑顔で歓喜の輪に加わった。延長十一回、サヨナラ勝ち。2夜連続の逆転勝利で地元ファンを熱狂させた…

 「ドジャース7-6レッドソックス」(20日、ロサンゼルス)

 三塁走者のK・ヘルナンデスが勝利のホームを踏んだ瞬間、大谷は二塁ベース上で手を叩き、笑顔で歓喜の輪に加わった。延長十一回、サヨナラ勝ち。2夜連続の逆転勝利で地元ファンを熱狂させた。

 二転、三転した試合。大谷が攻撃の口火を切ったのは1点ビハインドの六回だ。ここまで2打席無安打に抑え込まれていた25歳右腕、ベヨに対し、カウント2-1から甘く入ったスライダーを振り抜くと、時速181キロの高速打球が左中間を真っ二つに割った。滑り込むことなく、二塁を陥れ、連続安打試合を5に伸ばすと、4番T・ヘルナンデスの右前打で同点のホームを踏んだ。

 しかし、この日は両軍ともにリリーフ陣がピリッとしない。ドジャース1点リードの七回に4番手バンダが逆転2ランを浴びると、レッドソックスの守護神ジャンセンは1点リードの九回にこの日がメジャー在籍10年の記念日だったK・ヘルナンデスに同点被弾。試合は延長戦に突入した。

 大谷は2度のサヨナラ機に打席を迎えたが、いずれも申告敬遠で勝負を避けられた。4-4の九回1死二塁と6-6の十一回1死一、三塁。2つ目は打席に入る前に早々に敵軍ベンチが申告したため、ネクストバッターズサークル付近にバットを置き、そのまま一塁へ歩く珍しいシーンとなった。これには背番号17の豪快な1本を期待した地元ファンは一斉に大ブーイング。フィールドは異様な空気に包まれた。

 試合後の会見。ロバーツ監督は大谷の2打席連続敬遠について「ショウヘイが腹を立てたり、イライラしたりするようなことはないと思う。これも試合」と選手の気持ちを“代弁”。「私も反対側のベンチにいたから分かるが、あの男には打たれたくないものだ」と、コーラ監督の決断に理解を示した。

 4年連続30号達成はあす以降に持ち越されたが、後半戦2試合はいずれもつないでチームを連勝に導いた大谷。試合後はメジャー10年の節目を迎え、途中出場でチームの勝利に貢献したK・ヘルナンデスをハグで祝福し、笑顔で球場を後にした。