20日に両国国技館でWBC世界バンタム級王座を初防衛した中谷潤人(M・T)と、WBO世界フライ級王座決定戦を制した新王者アンソニー・オラスクアガ(米国)が一夜明けた21日、都内で記者会見を行った。 2人は10代半ばからの親友で、試合後も食…

 20日に両国国技館でWBC世界バンタム級王座を初防衛した中谷潤人(M・T)と、WBO世界フライ級王座決定戦を制した新王者アンソニー・オラスクアガ(米国)が一夜明けた21日、都内で記者会見を行った。

 2人は10代半ばからの親友で、試合後も食事をするなど一緒に過ごしていたといい、中谷は「2人とも世界チャンピオンで、ベルトを持ってリングに上がって、皆さんに声援をもらって。思い出に残るシーンだったなと思います」としみじみ。オラスクアガも「2人そろって勝ててベルトを巻けて、パーフェクトナイトだった」と笑った。

 メインイベントだった自分の試合の2試合前、オラスクアガの試合を控室で見ていた中谷は「自分の試合より緊張した。前にも(同じ興行で試合したことが)一回あったが、今回はタイトルマッチで、トニーの気持ちは一緒にやってきて分かっているので、応援する気持ちと緊張感があった」と振り返った。

 10代半ばから2人を指導してきたトレーナーのルディ・エルナンデス氏は、中谷を「今まで会った中でも最高のファイターで、見たことがないくらい最高の弟子です。ボクシングへの姿勢も素晴らしい。疑問を持たず取りあえずやる。やりながら理解していく。それが何より素晴らしい」と称賛した。

 「いつでもハッピーなトニー(オラスクアガ)は、いろんなことに気が散るタイプで心配だったが、今回は真剣にボクシングに向き合ってくれた。そばに中谷がいるからこそ、彼の後を追っていくことができた」と、中谷がオラスクアガにもたらした好影響も証言し、「2人のコンビネーションは素晴らしい。(自分も)プロとしてありがたい、素晴らしい日だった」と喜んだ。

 また、中谷は同じバンタム級で、前夜はWBA世界4位のジョナサン・ロドリゲス(米国)に3回TKO勝ちした那須川天心(帝拳)について、試合はまだ見ていないとした上で「センスもあるし、今回KOを意識されていたと思う。倒しに行くリスクもある。しっかり結果を残しているのはリスペクトするところです」と述べ、入れ替わりで記者会見に現れた天心と、オラスクアガも含めたスリーショットに笑顔で収まった。

 オラスクアガは昨年4月に寺地拳四朗(BMB)のWBA・WBC世界ライトフライ級王座に挑戦して敗れているが、寺地のフライ級転向を受けて「拳四朗がベルトを持っていたらやってみたい。拳四朗は友達だけど、リングに上がればそれはなくなるから」と、統一戦でのリベンジを期待していた。