「ボクシング・10回戦」(20日、両国国技館) WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(26)=M・T=が、同級1位のビンセント・アストロラビオ(フィリピン)に1回2分37秒KO勝ちし、初防衛に成功した。元人気キックボクサーの那須川天心(25…

 「ボクシング・10回戦」(20日、両国国技館)

 WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(26)=M・T=が、同級1位のビンセント・アストロラビオ(フィリピン)に1回2分37秒KO勝ちし、初防衛に成功した。元人気キックボクサーの那須川天心(25)=帝拳=は、初の10回戦でジョナサン・ロドリゲス(米国)に3回1分49秒TKO勝ちし、転向後4連勝(2KO)。WBO世界フライ級王座決定戦で同級2位の加納陸(26)=大成=は、同級3位のアンソニー・オラスクアガ(米国)に3回2分50秒KO負けを喫した。

 圧倒的なKOを見せ、初の10回戦を過去最短でクリアした天心は「今日はかましたと思います!」と会心の笑みだ。実質的な初KOに「やってやりましたよ。KOできないって言った人、誰ですか?」と胸を張った。

 初回から距離を支配し、2回終了間際にはダウン寸前まで追い込む。3回、左ストレートでグラつかせると、猛攻を加え、左ストレートでロープまで吹き飛ばして最初のダウンを奪うと、相手陣営が試合を諦め、レフェリーが試合を止めた。

 18日の会見では「ボクシングなんだけどボクシングの動きをしない」天心スタイルが出来上がったと明かした。この日は「自分の動きをして相手を動かす、間を支配するボクシング」だと補足し「こんなもんじゃないなというのもあるので。まだまだこれからこれからなんで、一歩一歩やっていく」と、さらに磨きをかけるつもりでいる。

 WBA4位のロドリゲスを破ったことで世界ランクも上昇するのは確実だが、天心は「飛び級しようと思うと痛い目を見るので、焦らずに自分を高めて」と冷静。まずは地域タイトルから奪いに行く。

 ◆那須川天心(なすかわ・てんしん)1998年8月18日、千葉県松戸市出身。キックボクシング42戦全勝、MMA4戦全勝。18年、エキシビションでフロイド・メイウェザーJr.と対戦。2022年6月、東京ドームで開催された「THE MATCH」で武尊との頂上対決に勝利した。23年4月、プロボクシングにデビュー。弟の那須川龍心はキックボクサーでRISEフライ級1位。身長165センチ。リーチ176センチ。左ボクサーファイター。