「阪神0-1広島」(20日、甲子園球場) 会見場に現れた阪神・岡田監督はあきれ返っていた。「何にもない。何にも言うことないよ。ホンマに」とため息。ミス連発の敗戦にぶ然とした。 0-0の延長十一回に悲劇が起こった。6番手・富田が先頭・秋山に…

 「阪神0-1広島」(20日、甲子園球場)

 会見場に現れた阪神・岡田監督はあきれ返っていた。「何にもない。何にも言うことないよ。ホンマに」とため息。ミス連発の敗戦にぶ然とした。

 0-0の延長十一回に悲劇が起こった。6番手・富田が先頭・秋山に2ストライクと追い込んでから四球を与えると、矢野のバントを処理した左腕は一塁へ悪送球。中野は捕球にもたつく間に三塁を狙った大盛を刺そうと三塁へ送球したがボールはそれてしまう。スタンドが騒然とする中、ファウルゾーンでカバーした左翼・植田が三塁・佐藤輝へトス。オーバーランから三塁に戻った大盛にタッチしたが判定はセーフだ。指揮官のリクエストも実らず、その後、無死満塁から小園に決勝犠飛を許してしまった。

 「だから言うことないって。言葉がないわ」。将は怒りを通り越した顔つきで言葉を紡いだ。

 延長十回は1死一塁で梅野が二ゴロ併殺。好機を拡大できず、聖地に重苦しい雰囲気が漂った。チームは24イニング連続無得点。今季2度目の4連敗で3カード連続負け越しとなった。16年以来8年ぶり前半戦Bクラスターンも確定し、首位・広島とは3・5差となった。

 快音を残した打球がファウルや野手の正面を突くシーンもあったが「惜しかったなんてないよ、プロに。頑張りましたもないよ、高校野球と違うんやから」とバッサリ。「何の言葉もない言うてるやんか」。そう言い残して、重い足取りでクラブハウスへ引き揚げた。