阪神は20日、育成選手の高橋遥人投手(28)、佐藤蓮投手(26)、川原陸投手(23)と支配下選手契約を締結したと発表した。背番号は高橋が「29」、佐藤蓮が「98」、川原が「92」に決定。高橋は鳴尾浜で喜びを明かし、周囲の人やファンへの感謝…

 阪神は20日、育成選手の高橋遥人投手(28)、佐藤蓮投手(26)、川原陸投手(23)と支配下選手契約を締結したと発表した。背番号は高橋が「29」、佐藤蓮が「98」、川原が「92」に決定。高橋は鳴尾浜で喜びを明かし、周囲の人やファンへの感謝と、1軍で恩返しの活躍を誓った。1軍は4連敗で16年以来、8年ぶりのBクラスターンが決定。救世主となってくれ!

 苦悩を乗り越え、背番号「29」の高橋遥人が帰ってきた。テレビカメラが並び、報道陣が詰めかけた“異様”な雰囲気の鳴尾浜。「なんでこんなに人いるんだろうと思った。(伝えられたのは)さっきっすね。10分、15分前くらいですね」。いつも通り練習をこなした後告げられたのは「支配下復帰」の吉報だった。

 「手術もさせてもらって、背番号も今年から変わって。最初に目指すところは支配下登録だったので、それができてうれしいです」

 2017年度ドラフト2位で入団。エース左腕候補として期待されたが、何度も故障に泣かされてきた。22年4月に左肘のトミー・ジョン手術、昨年6月には「左尺骨短縮術」および「左肩関節鏡視下クリーニング術」。同年オフに育成選手契約となった。今年4月に実戦復帰するまでは、苦しいリハビリの日々だった。「すごいもどかしい、悔しい気持ちもあった。気持ち的にすごく落ちることとかあった」。そんな時、周囲の人たちの支えが力となり、ここまで来られた。

 「トレーナーさん、理学療法士の方には一番近くでケガの具合とか見てもらっていたので。すごい支えていただきました。ファンの方も投げられない中でもずっと応援してもらえたので、またマウンドに立つところを見せたいとすごく思えました。すごく感謝しています」

 「129」だった背番号は、入団時と同じ「29」に。愛着のある2桁ユニホームに再び袖を通せることにも感謝は尽きない。「(29番を)空けていただいていたので球団には感謝したいし、手術も何回もさせていただいて感謝しています」と柔らかな笑顔を見せた。

 実戦復帰後は段階を踏みながら登板を重ね、14日のウエスタン・広島戦では術後初の8回完投も果たした。完全復活へ順調に進められたのも、周囲の支えがあったからこそ。恩返しの思いで再スタートを切る。「投げられなかった期間が長かった分、ここから返していけるように一生懸命、頑張っていきたい。1軍の戦力になれるように、もっと状態を上げていければ」。喜びもつかの間、高橋は次のステージへしっかりと前を見据えた。

 ◆高橋 遥人(たかはし・はると)1995年11月7日生まれ、28歳。静岡県出身。181センチ、79キロ。左投げ左打ち。投手。背番号29。常葉学園橘高から亜大を経て、2017年度ドラフト2位で入団。18年4月11日・広島戦(甲子園)でプロ初勝利。度重なる故障に泣き、23年オフに育成選手契約を結ぶ。