「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(20日、両国国技館) 王者・中谷潤人(26)=M・T=が挑戦者で同級1位のビンセント・アストロラビオ(27)=フィリピン=を1回2分37秒のKO勝ちで退け、初防衛に成功した。 わずか3分…

 「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(20日、両国国技館)

 王者・中谷潤人(26)=M・T=が挑戦者で同級1位のビンセント・アストロラビオ(27)=フィリピン=を1回2分37秒のKO勝ちで退け、初防衛に成功した。

 わずか3分未満の電撃決着に館内が騒然とした。中谷の左ストレートがボディーに突き刺さり、挑戦者が崩れ落ちた。「(感触が)柔らかくて、これで効くんだと。立ち上がっても詰める準備はしていた」と王者はたたみかけるつもりだったが、もん絶の表情のアストロラビオは立ち上がれず。「ちょっと早すぎたかなと思ったけど、すいません」と試合後に苦笑いを浮かべた。

 これがバンタム級転向2戦目。意欲を見せているWBA王者・井上拓真との統一戦にも、期待が高まる圧巻のパフォーマンスだった。会場に訪れたファンに向け、改めて「皆さんも望んでいるカード。そこに向けて準備してきたい」と拓真との対決を望んでいることを話した。

 さらに先も見据えた、拓真の兄でスーパーバンタム級世界4団体統一王者・尚弥との“モンスター対決”だ。「まだまだですが、一つずつ勝っていって大きなものになれば、おのずと実現する」と控えめな口調ながらも世紀の一戦を思い描く。

 試合後の記者会見ではさらなる野望も口にした。「最終目標ではないが、もうひとつ大きな目標としているのがパウンド・フォー・パウンド1位。そこに向けて大事な統一戦がある」。戦前の時点で米リング誌が発表したランキングで10位につけている。バンタム級統一戦、尚弥との世紀の一戦、PFP1位。底知れない強さで“ネクスト・モンスター”の異名を取る中谷の夢は広がるばかりだ。