(20日、第106回全国高校野球選手権西東京大会5回戦 国学院久我山14―4専大付=六回コールド) 8強をかけた国学院久我山と専大付の試合は終盤、一気に勝負が決まった。 同点で迎えた五回表、専大付の攻撃。1死一、三塁の好機に打順が回ってきた…

(20日、第106回全国高校野球選手権西東京大会5回戦 国学院久我山14―4専大付=六回コールド)

 8強をかけた国学院久我山と専大付の試合は終盤、一気に勝負が決まった。

 同点で迎えた五回表、専大付の攻撃。1死一、三塁の好機に打順が回ってきたのは、3番打者八木勇成(3年)。「勝つ気」で挑んだ打席だった。

 追い込まれてからの4球目、高めに外そうとした球が甘くなるのを見逃さずに強打。打球は右翼フェンスを越え、勝ち越しとなる3点本塁打に。自身の公式戦初本塁打で、試合の主導権を握ったようにみえた。

 だが、六回裏、試合の流れは急激に変わる。

 3点を追う国学院久我山は先頭打者が三塁打で出塁。すると、スタンドでは2019年夏の甲子園で「魔曲」と恐れられた「一本」の大合唱が始まった。

 長打、代走、バントと多彩な連続攻撃を仕掛ける国学院久我山。スタンドの大合唱とあいまって、専大付の守備陣はのみ込まれていく。

 専大府は相次いで投手を投入するも、制球が乱れた。打者17人、約35分の猛攻。13点を失った。リードしていた専大付は一転、コールド負けになった。

 初本塁打からの急展開。それでも、八木は試合後、「悔いは、ないです」。大会に入り、一時打撃が振るわなかった。打順の変更を考えたものの、3番打者で使い続けた二井見淳監督は「負けん気の強い、信頼のバッター」とほめたたえた。=S&D昭島(中村英一郎)