<プロボクシング:120ポンド(約54・4キロ契約体重10回戦>◇20日◇東京・両国国技館無敗の格闘家でプロボクシングWBA世界バンタム級7位の那須川天心(25=帝拳)が自身初の10回戦でボクシングデビュー4連勝を飾った。同級4位のジョナサ…

<プロボクシング:120ポンド(約54・4キロ契約体重10回戦>◇20日◇東京・両国国技館

無敗の格闘家でプロボクシングWBA世界バンタム級7位の那須川天心(25=帝拳)が自身初の10回戦でボクシングデビュー4連勝を飾った。同級4位のジョナサン・ロドリゲス(25=米国)と自身初の世界ランカー対決に臨み、3回1分49秒TKO勝ちを収めた。

那須川は試合後「気持ちっしょ。毎回、進化している那須川天心を見せられていると思うけど、評価されるのは一瞬。だれも見られないところでだれもできないところが大事。日々、一生懸命やっています。また応援してくれたらうれしいと思います。那須川天心を見に来てください!」と語った。

今年1月、当時のWBA、WBO世界バンタム級14位のルイス・ロブレス(メキシコ)を3回終了TKO撃破して以来、約6カ月ぶりのリング。世界ランカーを下したことで、自らも世界ランキング入りを果たしていた。2試合連続の世界ランカー撃破は大きな自信になったに違いない。

試合約2週間前まで実戦練習で好不調の波が多かったという。試合間隔の約6カ月間、短距離、中距離、長距離とさまざまなパターンの戦い方を強化していく中で「少し迷うところもあった」と明かした。帝拳ジムの本田明彦会長(76)は「天心は壁にぶち当たった。あいつも本当に悩んで、2週間前ぐらいにやっと突き破った」と振り返る。

那須川は「自分が練習で考えていることが何でできないのかなみたいな。でも生きていて壁にぶちあたることは絶対にある。そこをしっかりと追い詰めて越えていくかで人としての厚みの違いが出ると思う。自分が打ち破ってきた自負はある」と吹っ切れてリングに立っていた。

現在、那須川はバンタム級で7位を筆頭に、WBO10位、WBC13位に名を連ねる。国内で世界挑戦するためには日本、東洋太平洋王座の獲得が必要との内規がある。10回戦は日本王座戦と同じラウンド数。本田会長からも「今度が1番きつい(相手)。ここをどう乗り切るかだよ。いつも10戦までは(世界挑戦しない)と言っているけれど。それよりはちょっとだけ早くなりそう」と期待を寄せられていた。

初めての10回戦、そして世界ランカー対決は「タイトル前哨戦」の意味合いもあった。那須川は「もう何かのタイトルに挑戦してもいいんじゃないかと思ってもらえるような試合にしたい」と気合十分でリングに立っていた。格上世界ランカーを撃破し、世界4位以内に入ることも濃厚。早ければ次戦となる自身初のボクシング王座戦へ、大きなステップを踏んだ。

ラウンドVTR

▽1回

サウスポーの那須川は開始から慎重に相手の出方をうかがう。右構えのロドリゲスも手を出さず、那須川のパンチを警戒。1分、那須川が左ストレートを放つ。さらの右フックがヒット。中盤に那須川が左ストレートをダブルで浅くヒット。終盤も左ストレートが浅く当たる。ロドリゲスのパンチは那須川に届かない。

【日刊採点】那須川10-9

▽2回

ロドリゲスがじわじわ前に出る。40秒すぎに那須川の左ストレートが浅くヒット。ロドリゲスは手数が少なく、カウンター狙いか。1分40秒すぎにロドリゲスが出てきたとkろおに那須川の左がカウンターがヒット。終了間際に那須川の左ストレートがロドリゲスの顔面をとらえて、ロドリゲスが腰を落として後退。那須川がラッシュ。ここでラウンド終了

【日刊採点】那須川10-9

▽3回

ロドリゲスが出てきたところに那須川の左がカウンターでヒット。さらに1分すぎも再び左ストレートがヒット。1分30秒すぎに左ストレートから左アッパーのボディーから顔面のダブル連打で一気にダウンを奪うと、那須川がKO勝利を収めた。